聖徳太子 : 日本仏教の祖
538年の仏教伝来に伴い、崇仏派の蘇我氏と排仏派の物部氏とは激しく対立した。戦いは蘇我氏が覇を握るが、聖徳太子はそのような権力争いの中で摂政となり、みほとけの教えを礎に次々と大改革を行って日本を律令国家へと導いていく。しかし、その胸中には現実に対する厳しい洞察とみほとけの世界への憧憬が激しく彼をかりたてた。動乱の歴史を生きた太子の心のドラマをここに復古す。
仏教の歴史 <中国>
一世紀半ば中国へ伝えられた仏教は、中国の伝統的な思想の影響を受けて独自の仏教を形成していった。仏典の翻訳や研究が盛んに行われ、国家の盛衰に翻弄されながらも中国の大地に根を下ろす仏教。隋、唐の時代には禅仏教が誕生し、浄土教・密教が確立され、やがて民衆の間に広がっていく-。中国の歴史の中で、仏教が、どのように変遷していったのかその跡をたどる。
鑑真 戒律を伝えた僧
日本からの留学僧、栄叡と普照は授戒の師を求めて唐に渡り、唐の高僧、授戒の大師と仰がれる鑑真和尚に出会い、日本への渡航を要請した。留学僧の命がけの招請に、鑑真和尚は日本へ渡ることを決意する。だが、唐の役人たちの反対にあって数度の渡航計画は失敗に終わった。初志を貫き、ついに密航を企てた鑑真は、決意を新たに渡日に命をかけた。この鑑真の熱き思いは日本仏教の柱として今もなお残されている。
敦煌物語 : 仏教を伝えた人と道
シルクロードの都・中国敦煌に取材旅行に出かけた漫画家の氷室と編集者の水島。月牙泉のラクダ乗りで砂漠の醍醐味を満喫したふたりは、旅の最大の目的地、莫高窟へ。絶壁のアトリエ・莫高窟は、南北約1.8キロにわたって、492もの窟が並び、2500体におよぶ仏像が納められている。莫高窟の代表的な仏像・壁画を紹介しつつ、歴史や文化、仏教とのかかわりを解説。現地の事情や人々の生活も織り込みながら、恋あり、笑いありの楽しい敦煌ガイドブック。