OHTA COMICSの感想・レビュー11件サブカル?アングラ?ダウナー?カルト?高速回線は光うさぎの夢を見るか 華倫変starstarstarstarstar_borderカイ個性が強すぎてなんとも表現し出来ない漫画。 人にはオススメしづらいけど、めちゃくちゃオススメしたい一冊。 主張、信念、主義、信条、心理、信仰、魂。 どれが適当なのか、そもそもどれも適切じゃ無いのか。華倫変じゃないからわからないけど、心を鷲掴みにえぐられる。 気がついたら私はとっくに作者の年齢を追い越して社会を乗り繋いでるんだな映画みたい・・・。虹ヶ原ホログラフ 浅野いにお干し芋漫画が映像として動き出す感じ。 カメラ目線で捉えられているコマ割り、空間、タイミングと文字の羅列の切り取り方が素晴らしい!! 一回読んだだけで全て把握できない奥深さが浅野いにおの世界観だと思う。怪作、珍作、傑作揃いの作品集!!おばけのおやつ 押切蓮介名無しデビュー間もない頃の作品かな〜?と思うものや、描き下ろしも多くて、面白い作品集です。 特に最後に収録されてる「Beautiful」という描き下ろしの作品がめちゃめちゃよかったです!!富士山の麓の村に暴風大雨警報が発令されたが一匹の飼い犬が避難しそびれてしまう…。降り注ぐ火山弾と地獄の王ペサメノスの出現に犬は絶望するが、飼い主に会いたい一心で命懸けで立ち向かう!この犬の話を読む為にこの一冊があるかもしれないと思うくらい力作でした。 あと合コンから仲間外れにされた男2人が東京の心霊スポットを巡る「東京トワイライト」は、押切蓮介本人と友人の清野とおるの実話が元になってるんじゃないかな?と思いました。元祖「東京怪奇酒」かも??初めて華倫変を読んだぞ高速回線は光うさぎの夢を見るか 華倫変かしこマンバで華倫変のページを見ていて、ただのファンが書いたようなあらすじ(こうした題材を取り上げながらも、ただ暗いだけでなく、かといって分かりやすいハッピーエンドにも行かずに話を進め、絶妙な感覚を引き出します。たまに救いを感じさせるのが凄いですね。)が気になって読んでみました! 華倫変って今もカルト漫画家として有名だし気になってる作家だったけど、致命的に痛いとかグロい話はないのに、夜に読んで寝たのに朝起きたらダウナーな気分が残ってて、なるほどこういうことか…と理解した。でもあらすじ以上の感想が書けなかったので、他作品を読み込んでから出直したいと思います。やっぱり名作BLUE 山本直樹starstarstarstarstarかしこもともと「BLUE」ってビッグコミックスピリッツに掲載された読み切りだったんですね。知らなかった〜。なんか単行本になった時に色々あった印象が強いのと、今じゃ絶対載せられないだろうなってのがあるから、普通に青年誌に載ってたなんて信じられないですね。でもすっごい名作だよなぁ。復刊ドットコムから出てるやつだと定価で2300円もするし、もう5回も単行本化されてるっていうのも驚くけど、それだけの価値のある作品っていうのは間違いない。エロ抜きにしてもカッコいいよね!『まんぼう』って聞くとこの漫画を思い出す掃除当番 武富健治starstarstarstarstarひさぴよニュースで『まんぼう』って聞くたびにこの短編集の話を思い出す。何回読んでも新鮮な面白さがあって、オチまで含めてやはり傑作だと思う。この短編集は武富健治先生の”原点”とされている初期作品を収録しており、主に思春期の中高生を描いた作品が中心となっている。表題作『掃除当番』『ポケットにナイフ』は、後の鈴木先生に繋がるお話で、切なくも崇高さを感じさせる素晴らしい短編だ。『シャイ子は本の虫』は、”本好き”だった学生に刺さる内容で、特に気に入ってる。まさに珠玉の短編集だ。世界の真実、国民クイズ!国民クイズ 加藤伸吉 杉元伶一ろーじー※ネタバレを含むクチコミです。どんな狂った願いも叶えてくれるクイズ番組国民クイズ 加藤伸吉 杉元伶一かしこ「民主主義はもういらないあなたのための全体主義」日本政府国民クイズ省がお送りするテレビ番組、国民クイズ。決勝クイズに正解すればどんな野蛮な願いでも政府によって叶えられ、それ以外の失格者はA〜Dランクの戦犯扱いされる。そんな狂ったクイズ番組に熱狂する人々が異常すぎて面白いのですが、司会者のK井K一の暗殺未遂をきっかけに、後半では反体制派が革命を起こそうとする話になります。実はK一も過去に国民クイズに出場していてB級不合格者の身なのです。反体制派の協力者になったK一の革命家としての変貌ぶりも見所ですが、熱狂にあおられた人々が選んだ結末が容赦無くて好きです。現実の日本で何か運動を起こしたとしても同じ選択をしてしまいそうでヒヤリとしました。「バカとゴッホ」でも思いましたが加藤伸吉の絵って読んでてすっごく楽しいですね。これまでと違うテイスト虹ヶ原ホログラフ 浅野いにおさいろくこの後にもあまりない、ちょっぴりファンタジーが入った作品。 ダークさは割と強い(プンプンほど怖くないと思うけど、深く考えるとゾッとするところが結構あるので考察するかどうかはお任せします) あと浅野いにお作品ではモブじゃない少年が出てくると大人が痛い目にあう気がする。 痛い目にあうのは少年含む弱者じゃない方が個人的には良くて、そういう正しさが守られていると「よし!」と思える。他作品思い出さずに書いてるけど。 なんか月並みですが「一本の映画のよう」なきれいなまとまり方をしていて、読後感も良かった。 私は浅野いにお作品は全部好き。ヴィレヴァンは特に好きじゃない。アジカンも別に好きでもない。 好みは人それぞれだと思うが全部好きじゃないとサブカル好きとして認められないのかもしれないがそもそも私はサブカル好きという自覚はない。 漫画好きなら漫画作品でだけ浅野いにおに触れたら十分だと思う。もちろんハマってそこから派生した何かしらに触れていくのはファンとして正しい姿勢だし、世界が広がっていく事にも繋がると思うのでソラニンの映画を観て和泉多摩川に行った帰りに下北沢の屋根裏(ライブハウス)にでもふらっと入って一杯飲んで帰ったりすればいい。 脱線しましたが、本作は非常に試験的な要素がいっぱいござるのでそういった意味でも「こいつおもしれーな」と思わせてくれるに違いない一冊です。おすすめ。 自分の中では「おやすみプンプン」以前と以後ではだいぶ異なると思っている。 「何言ってんだこいつ」と思う人は読み比べてみて感想を聞かせてください。夏の漫画BLUE 山本直樹大トロ山本直樹の漫画で一番好きです! セックスのことが描かれているけれどいやらしくないです。泣いちゃいます。マンガはどこまで表現できるのだろう国民クイズ 加藤伸吉 杉元伶一名無し「マンガはどこまで表現できるのだろう」と考える事があります。“音”は聞こえなくても、音楽漫画の名作は数多くありますし、“味”がわからなくてもグルメマンガは星の数ほどあります。名作は時に、現実に存在する以上の“音”や“味”を表現することがあるように思います。『国民クイズ』が描き出したのは、現実以上の“熱狂”でした。 『国民クイズ』が描くのは、“国民クイズ”が全てを支配する日本です。“国民クイズ”とはテレビでよく見るクイズ番組そのものです。ただ、賞品のレベルがケタ違い。そこで合格者となれればどのような望みも叶えられます。ある者は、いなくなった飼い犬を探してもらい、またある者は3億円の借金の肩代わりを願います。故郷の温泉街を復興させるためにエッフェル塔を移動させた合格者もいます。合格者の希望は絶対・無制限に優先されると憲法にも規定されているのです。民主主義が達成できなかった、一国民の願いをダイレクトに迅速に達成されるのが、「国民クイズ体制国家」となった日本なのです。 「国民クイズ」にはもちろんリスクもあります。予選をくぐり抜け、本選の6名に選ばれたにもかかわらず不合格となってしまうと、「戦犯」として強制収容所で働くことになってしまうのです。視聴者は、参加者の天国と地獄を楽しみに眺め、やがて狂乱の舞台に参加しようと変わっていくのです。 これら餓鬼のような参加者をコントロールし、テレビの向こう側にいる人々の欲望に火をつけるのが、司会者・K井K一。彼自身、かつて「国民クイズ」に参加しながらも本選で不合格になってしまった「戦犯」です。奉仕労働として「国民クイズ」の司会を行います。このK井の司会がとてつもないのです。時に静かに、時に荒々しく、回答者を慰め、挑発し、弄ることで、番組を盛り上げていきます。 彼は国民にとってはトリックスターとして、「国民クイズ」の象徴として機能しているのです。 しかしK井にとって「国民クイズ」に対する思いは複雑です。強制収容所に暮らし、妻子と離れて暮らすことになった現状に怒りもあります。双子の処女と3pしたいという欲望と恵まれない子のために養護施設を作りたいという願いを同列に扱う「国民クイズ」に疑問もあります。しかし、なにより司会はK井にとっての天職でもあるのです。 最終局面、K井は完全に「司会」となり、政府やテロリストといった様々な人間思惑を超えたところまで到達します。国民の欲望は限界以上に引き出され、大衆はかつてない「熱狂」に包まれるのです。 その行き着く先はK井自身にもわからないのです。己の欲望だけを求める国民が、熱狂のもとで一丸となって暴走する…このライブ感は『国民クイズ』でしか味わえないのです。
個性が強すぎてなんとも表現し出来ない漫画。 人にはオススメしづらいけど、めちゃくちゃオススメしたい一冊。 主張、信念、主義、信条、心理、信仰、魂。 どれが適当なのか、そもそもどれも適切じゃ無いのか。華倫変じゃないからわからないけど、心を鷲掴みにえぐられる。 気がついたら私はとっくに作者の年齢を追い越して社会を乗り繋いでるんだな