蜜夜の忠誠
蜂蜜色の神と碧玉の瞳を持ち、類い稀なる美貌と評されるサン=イスマエル公国君主・フローランには、父の妾の子で、異母兄と噂されるガスパールがいた。兄を差し置いて自分が王位を継いだことに引け目を感じつつも、フローランは「聖地の騎士」として名を馳せるガスパールを幼い頃から誇りに思ってきた。だが、そんな主従の近いが永遠に続くと信じていたある日、フローランはガスパールが弟である自分を愛しているという衝撃の事実を知ってしまう。許されない関係と知りながらも、兄の激情に身も心も翻弄されていくフローランは…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
長年隣国であるセントダイナの傘下にある魔術師の国サントリム。代々人質として、王子を送っており、今は王族の中で唯一魔術が使えない第三王子のヒューイが隣国で暮らしている。魔術師のレニーが従者として付き従っているが、魔術が使えることは内密にされていた。口も性格も悪いが常にヒューイのことを第一に考え行動してくれる彼と親密な絆を結び、美しく育ったヒューイ。しかし、セントダイナの世継ぎ争いに巻き込まれてしまい…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
神の蜜蜂
上級天使のラトヴは、規律を破り天界を出た下級天使・リウを捕縛するため人間界へと降り立つ。そこで出会ったのは、人間に擬態した魔族・氷澤だった。天使を嫌う氷澤に捕らえられ、辱めを受けたラトヴは逃げ出す機会を伺うが、共に過ごすうちに、次第に氷澤のことが気になりはじめてしまう。だが、魔族と関わることは堕天を意味すると知っているラトヴは、そんな自分の気持ちを持て余してしまい…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
銀の雫の降る都
大国レーモスよりエイドレア新境地に執政官として赴任しているカレル。三十歳前後の見た目に反し、実年齢は百歳を超えるカレルだが、レーモス人が四、五百年は生きる中、病気のため治療を受けながら残り少ない余命を淡々と過ごしていた。そんなある日、内陸部の市場で剣闘士として売られていた少年を気まぐれで買い取る。ユーリスと名を与え、教育や作法を躾けるが、次第に成長し、全身で自分を求めてくる彼に対し徐々に愛情が芽生え…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
ネコミミ王子
母が亡くなり、天涯孤独となった千鶴。アルバイトをしながら一人孤独に生活する千鶴の元に、ある日、存在すら知らなかった祖父の弁護士がやって来る。なんと、千鶴に数億にのぼる遺産を相続する権利があるらしい。しかし、遺産を相続するには士郎という男と一緒に暮らし、彼の面倒を見ることが条件だという。しばらく様子を見るため、一緒に暮らし始めた千鶴だが、カッコイイ見た目に反して、ワガママで甘えたな士郎。しかも興奮するとネコミミとしっぽが飛び出る体質で――!? 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
秘匿の花
病床の英里は、死期が近づくのを感じていたある日、一人の優美な外国人男性が英里の前に現れ、君を迎えに来たと言う。カイルと名乗るその男は、英里に今の身体が寿命を迎えた後、姿形はそのままに、老化も病気もない別の生命体になるのだと告げた。その後、無事に変化を遂げた英里は自分をずっと見守ってきたというカイルから求愛される。さらに英里は同族から次々とアプローチされてしまい…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
平凡な大学生の真生に訪れた突然の出来事――それは平安時代へのタイムスリップ!なんと真生は、波長が合ったからという理由で、陰陽師・安部晴明に心と身体を入れ替えられてしまったのだ。さらに真生は、思う存分現代生活を満喫したいという晴明のわがままにより、三カ月の間平安時代で彼の身代わりをする羽目に。最初は無理だと断るものの、晴明が残した美貌の式神・佐久に命じられるまま、祈祷や予言から痴情のもつれ(?)に至るまで、あらゆる思考をフル回転させなんとか晴明のふりを務めあげる真生。そんななか、次第に真生は自分をさりげなく支えてくれる佐久に惹かれはじめるが…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
竜王の后
欲深き皇帝が力で国を支配する時代。皇帝を阻む唯一の存在・竜王が妻を娶り、その力を覚醒させる――そんな一縷の希望ともいえる予言が村々で語り継がれていた。予言を恐れた皇帝によって、村は次々と焼き払われていく。そんな村跡のひとつで、動物と心を通わせられる穏やか青年・シンは、生き残りらしき一人の精悍な男を助ける。男は言葉も記憶も全て失っており、日常生活すら一人では覚束ない様子。シンは彼をリュウと名付け、面倒をみると決めて共に暮らし始めたが、ある夜、普段の愚鈍な姿からは思いもよらない威圧的な態度のリュウに、自分は竜王だと言われ、無理やり体を開かれて――!? 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
人間嫌いの人狼・アルフレッドは、とある町で七匹の犬と一緒に暮らす奈々斗と出会う。親を亡くした奈々斗は、貧しい暮らしにも関わらず捨て犬を見ると放っておけないお人好しだった。行くあてがなかったアルフレッドは、奈々斗に誘われしばらくの間一緒に住むことになるが、次第に元気に振る舞う彼が抱える寂しさに気づきはじめる。人間とはいつか放っておけない気持ちになったアルフレッドは…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
月下の誓い
幼い頃から奴隷として働かされてきたシャオは、ある日主人に暴力を振るわれているところを、偶然通りかかった男に助けられる。赤い瞳と白い髪を持つ男はキヴィルナズと名乗り、シャオを買うと言い出した。その容貌のせいで周りから化け物と恐れられていたキヴィルナズだが、シャオは献身的な看病を受け、生まれて初めて人に優しくされる悦びを覚える。穏やかな暮らしのなか、なぜ自分を助けてくれたのかと問うシャオにキヴィルナズはどこか愛しいものを見るような視線を向けてきて…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
天使強奪
身体および忍耐能力は抜群だが人と争うことが苦手なクライスは大学を出て王室弁護士になり数年が過ぎた。そんなある日、王家の一員が悪魔に憑依されたという噂が流れ、シオン教総本山ヴァレンテ本国から凄腕エクソシスト『エリファス・レヴィ』がやってくる。クライスはそのエクソシストをひと目見たときから心を奪われるが、自分には縁のない高嶺の花だとあきらめようとする。しかし、自分でも気づかなかった『守護者』の能力を買われて彼の警護役に抜擢され、寝起きをともにする日々が続くうちに、エリファス・レヴィへの気持ちがあらがえないほどに高まってゆき…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
人魚ひめ
一族唯一のメスとして大事に育てられてきた人魚のミルの悩みは、成長してもメスの特徴が出ないことだった。心配に思っていたところ、ミルはメスではなくオスだったと判明。このままでは一族が絶滅してしまうことに責任を感じたミルは、自らの身を犠牲にして人魚を増やす決意をし、そのために人間界へと旅立つ。だが、そこで出会った熙顕という人間の男と惹かれ合い「海を捨てられないか」と言われたミルは、人魚の世界と熙顕との恋心の間で揺れ動き…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。