他の村人と異なる黒髪のせいで、村八分にされていたミノルのもとに、雨乞いのために山神への生贄を捜しているという話が届く。誰しもが生贄となるのを恐れているなか、せめてこれまで厄介者の自分を育ててくれた村人のために自分の身が役に立つならということで、自ら生贄になることを決意するミノル。ミノルが出会った山神は大きな獣の姿をしており、ミノルは食べられる覚悟を決めるが、山神はミノルを食べる気もなければ生贄も不要だと告げる。村での噂とはちがう、ぶっきらぼうだが、どこか優しさと孤独をたたえた山神のことが気になりはじめてしまったミノルは…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
過去の出来事と自分に流れるある血のせいで、人を信じられず孤独に生きてきたソウは、偶然立ち寄った村で傷を負って倒れていた男を助ける。ソウには一目で、見事な金の髪と整った容貌の持ち主であるその男が自分と相容れない存在の魔族だと分かった。だが男は一切の記憶を失っており、ソウは仕方なく共に旅をすることになる。はじめは、いつか魔族の本性を現すと思っていたが、ルクスと名付けたその男がただ一途に明るく自分を慕ってくることに戸惑いを覚えてしまうソウ。しかし同時に、ありのままの自分を愛されることを心のどこかで望んでいた気持ちに気づいてしまい――。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
幼い頃から奴隷として働かされてきたシャオは、ある日主人に暴力を振るわれているところを、偶然通りかかった男に助けられる。赤い瞳と白い髪を持つ男はキヴィルナズと名乗り、シャオを買うと言い出した。その容貌のせいで周りから化け物と恐れられていたキヴィルナズだが、シャオは献身的な看病を受け、生まれて初めて人に優しくされる悦びを覚える。穏やかな暮らしのなか、なぜ自分を助けてくれたのかと問うシャオにキヴィルナズはどこか愛しいものを見るような視線を向けてきて…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。