金の光と銀の民
過去の出来事と自分に流れるある血のせいで、人を信じられず孤独に生きてきたソウは、偶然立ち寄った村で傷を負って倒れていた男を助ける。ソウには一目で、見事な金の髪と整った容貌の持ち主であるその男が自分と相容れない存在の魔族だと分かった。だが男は一切の記憶を失っており、ソウは仕方なく共に旅をすることになる。はじめは、いつか魔族の本性を現すと思っていたが、ルクスと名付けたその男がただ一途に明るく自分を慕ってくることに戸惑いを覚えてしまうソウ。しかし同時に、ありのままの自分を愛されることを心のどこかで望んでいた気持ちに気づいてしまい――。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
睡郷の獣
獣人と人間が共存し鎖国を続ける国、銀嶺。獣人は人を支配し、年に一度、睡郷で「聖睡」と呼ばれる冬眠をする決まりだった。ニナは純血種の獣人で、端整な美貌と見事な尻尾を持つ銀狐だが、父が国王に反逆した罪で囚われ、投獄されてしまう。命とひきかえに、その身を実験に使われることになったニナは、異端の研究者であるレムの住む辺境の地へと送られる。忌み嫌われる半獣のレムにはじめは反発していたニナは、その不器用な優しさに触れていく中で次第に心惹かれてゆくが、次第に実験を命じた王に疑念を抱き…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
神と契る
清瀬神社の禰宜・音弥の元に、刀鍛冶をしている幼馴染の大我が滞在することになった。5年間、ある事情から大我と距離を置いていた音弥は、逞しい大人の男に成長した彼にどう接していいかわからず、混乱するばかり。だが、そんな音弥の気も知らず、大我は強引に接してくる。一方、街では”獣”によって人間が襲われるという奇怪な事件が発生。音弥もまた、謎の獣によって深い傷を負わされてしまう。その姿を目にした大我は――。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
三希堂奇譚
古美術店『三希堂』で働く美貌の青年、翡翠。人を操ることのできる、エメラルド色の瞳・邪眼を持つ翡翠は、店のオーナーである崔輝耀に好意を抱いている。邪眼の能力で、彼が自分の虜になって欲しいと願うが、輝耀に対してはなぜか能力が効くことはなかった。輝耀をつなぎとめておけないなら邪眼などいらないと日々思い悩んでいたが、翡翠は記憶がない三年前の自分の過去を知るという男に突然誘拐されたことで、輝耀の隠された秘密を知り――。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
刹那の楽園
銀髪に翡翠色の瞳、怜悧な美貌のバーテンダー・キリヤは、幼い頃、男の欲に曝されそうになったところを武流に救われた。以来、彼のことだけを想い生きてきた。決して抱いてはくれなくても、己のすべては武流のものだと決めていた。だが人身売買を担う男に目を付けられ、体を売るよう脅される。不動産会社の社長となって陽の当たる場所にいる武流を巻き込むまいとキリヤは、自分を守ろうとする彼を拒絶した。すると武流は獰猛な男の顔をあらわにし――。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
『お前は、私のものだ――』ブロンドの髪にグリーンの瞳、白く滑らかな肌を持つ容姿端麗な金星人ゆえにハンターに狙われ、ラブ・コンパニオンとなったレン。様々な人の手によって辱しめられたレンは、龍星人のソウジュに買われる。自分を対等に扱うソウジュに、いつしかレンは魅かれていく。だが、何もしないと言っていたソウジュにレンは突然、襲われる。レンは裏切られたショックで惑星を飛び出し、全ての記憶を封じて――!?
犯罪心理学者の佐倉は、高校生の頃、好意を抱いていた同級生の上江田に、ストーカーをしてしまった。すぐに本人に知られ、そのとき上江田に罰として口淫させられたことを、佐倉は今でも忘れられずにいる。そんなある日、刑事となっていた上江田が、あるストーカー事件の捜査に協力するよう、佐倉に依頼をしてきた。まだ上江田のことが好きな佐倉は、捜査に協力する代わりにご褒美をおねだりするが…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
黒狼王の水鏡
広告代理店に勤める馨は、人ならざるものが見える特異体質を持っていた。そのため周りに馴染めず、孤独な思いを抱えていたが不思議な鏡を拾ったことをきっかけに、馨の生活は一変する。なんと、鏡から獣の耳と尻尾を生やした少年が現れたのだ。「物の怪を統べる王、黒狼の化身・大牙だ」と名乗った少年は鏡が割れたせいで力を失い幼体化し、元の世界に帰れないと言う。そんな大牙の面倒をみることにしたが、彼は人間を毛嫌いし、敵意を向けてくる。それでも時間を重ねるごとに心を開いてくれ、馨もまた、大牙との生活に孤独を忘れかけていた。しかし 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
高校生の神尾和音は、幼いころから身体が弱く幼馴染でお隣に住む犬養志紀に頼り切って生きてきた。そんなある日、突如和音にケモミミとしっぽが生えてしまう。驚いて学校から逃げ帰った和音だったが、追いかけてきた志紀に見つかり、和音と志紀の家の秘密を知らされる。なんと、和音は獣人である犬神の一族で、志紀の一族はその神に仕え、神官のように、代々神尾家を支える一族だという。驚いた和音に、志紀はさらに追い討ちをかけてきた。なんと、「犬は躾けないとな」と、和音に首輪をはめてきて――!? 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
人里離れた山奥に存在する、神々が暮らす場所――“津和の里”。小さな命を全うし、神に転生したばかりのリス・志摩は里のはずれで倒れていたところを、里の医者・櫨禅に助けられ、快復するまで里で面倒を見てもらうことになった。包み込むような安心感を与えてくれる櫨禅と過ごすうち、志摩は次第に、恩人への親愛を越えた淡い恋心を抱くようになっていく。しかし、櫨禅の側には、彼に密かに想いを寄せる昔馴染みの美しい神・千世がいて……? 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
夜の男
暴力団組長の息子として生まれた、華やかな美貌の深川晶。家には代々、花韻と名乗る吸血鬼が住み着いており、力を貸してほしいときには契と名付けられる「生贄」を捧げれば、組は守られると言われていた。実際に、花韻は決して年をとることもなく、晶が幼い頃からずっと家にいた。そんな中、晶の長兄である保が対立する組織に殺されたことがきっかけで、それまで途絶えていた花韻への貢ぎ物が再開され、契と改名させられた晶が花韻に与えられることになった。花韻の愛玩具として屋敷の別棟で暮らすことになった契は彼に犯され、さらには吸血の快感にあらがうこともできず絶望するが…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
獣の妻乞い
通り魔に襲われた高校生の由原尚季は、狩野飛月という男に助けられる。強引な手口により、飛月と一緒に暮らすことになった尚季は、凶暴そうな見た目に反し、無邪気で優しい男に急速に惹かれていく。だが、仕事に行くたび尋常さを失う飛月に、尚季は昼夜を問わず、荒々しく抱かれるようになる。次第に獣じみていく飛月の異変に不安を覚える尚季は、彼が凶悪犯罪者を抹殺するため、秘密裏に造られた「猟獣」だと知り――。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。