溜息がでるような美貌と高飛車な性格が裏腹な通哉は、最悪の出会い方をした正純と体だけの関係を続けている。アクシデントのように始まった正純とのSEXは、通哉が初めて味わう狂うような快感を与えてくれるのだ。大手取引先を巡るライバルとして実力を認めながらも、横暴な色男ぶりに腹が立ち素直になれない。そしていつの間にか体だけの関係じゃなく恋人になりたいと願う自分に気づき……。自分だけが本気になることが怖くなり正純に嘘をついて別れを選んだ通哉。けれど正純なしではいられないほど彼に参っていた自分を知り……!?
義父の指
サラリーマンの真幸が妻を亡くして三年。それは義父であり上司でもある孝司とふたりきりの時間を過ごした年月でもある。いつまでも孝司の厚意に甘えているわけにもいかないと真幸がマンションを出ていく決意をした日、義父と義息子という関係は、禁忌の関係に一変する。信じていた義父の裏切りともいえる行為に、真幸は激しい怒りと屈辱を感じながらも快楽に溺れていく。支配する者と支配される者。欲望と本能に支配される夜の真の勝者とは──!?
冥愛の鎖
「胸にSPバッジをつけているとき、その命はこの世で最も軽くなる」警視庁警備局警備課SPの三神文弥は、来日するタハリール共和国大統領の警護にあたることになった。その打ち合わせの場で、かつて自分を利用し裏切った男・近衛諒一朗と再会し、彼が公安幹部だったことを知る。公安部と警備部けして相容れることのない存在。だが、その心の冥く深い闇に触れ、近衛に惹かれていく自分を止めることができなくなり 追う者と追われる者、危険をはらんだ男たちの攻防が始まる
もう一回言って? 俺のこと、好きって──「誰でもいいなら、別に俺だっていいだろう?」都会から地元に戻って半年、祖父母の経営していた市川糸店を継いだ市川春音には好きな人がいた。おさななじみで今は人気木工作家の二ノ宮航輝だ。中学生時代、「男のくせに兄貴のこと好きなの?」と軽蔑されたように言われて以来、疎遠になっていた。でも、春音の姉と航輝の兄が結婚したこともあり、Uターンをきっかけに親しくつきあうようになっていた。好きだという気持ちは隠したままで。だけど、やさしくされるほど恋する想いは強まって……おさななじみのすれ違いラブ!
壁際のキス
「信じろ。俺は、あんたには嘘をつかない」信じていた人間の裏切りに傷つき体調を崩していた中室哲は、療養のため叔父の別荘で暮らしていた。そんなとき、哲はひとりの青年と出逢う。不遜で、どこか人を醒めた目でみる羽島雄生だ。彼は別荘の庭先から怪我した腕を突き出し、哲に手当を要求したのだ。初対面の印象は最悪のふたりだったが、いつしか一緒にいることが楽しみになっていた。けれど、雄生が人気のある俳優であることから誤解が生まれ……人嫌いの青年と人から裏切られた青年。友人でもない、恋人でもない、曖昧で脆い関係が行き着いたのは?
菫の騎士
奪われるのではない。与えるのだ。そして、与えられるのだ。お伽の地と呼ばれる緑豊かなベネボレントの領主・アルヴィンは、ある昼下がり、菫の褥で眠る男と出会う。それは、幼い頃を一緒に過ごした大好きな従弟・ダンテの成長した姿だった。優しく、可愛らしかったダンテは、いまでは逞しく立派な、けれど何を考えているのかわからない青年へと様変わりしていた……哀しみと憎しみ、そして、勇気と愛の物語、誕生!
悪い子だ。発情してしまったのか?自覚のあるろくでなし・三浦倖生は、うだるように暑い夏のある日、会員制のデートクラブ『Pet Lovers』から『犬』として、寡黙で美しい男・轡田の屋敷に派遣される。そこで倖生を待っていたのは厳格な主人・轡田の厳しい躾の日々だった。人でありながら犬扱いされることへの屈辱と羞恥。そして、身体の奥底に感じる正体不明の熱……。次第に深みにはまっていくふたりだったが!? 究極のコンプレックス・ラブ!! ※本作は過去に配信していた「犬ほど素敵な商売はない」に挿絵を加えたものです。ストーリーに変更はございません。
甘い雫の満ちる夜
世間知らずの知里は、女衒の手から逃げ出したところを、富裕な広瀬伯爵家の次男・秋成に救われる。だが、広瀬が恩人であるにも関わらず、知里は彼の傲慢でシニカルな態度に素直になれず、売り言葉に買い言葉で広瀬の愛人として屋敷に暮らすことになる。性について未熟な知里に、広瀬は夜ごと快楽を教え込んでいくのだが…!?
「じゃあ、特別な関係になってみる?」家族とうまくいかず家を飛び出した夜、雅人は新宿で美形のゲイバーのオーナー匡に拾われる。今夜だけ居場所を提供してあげるよ、と。一晩だけのはずが成り行きで雅人は匡のマンションに居候することに。そして、匡に惹かれている自分に気づく。匡の優しさを自分だけのものにしたい。匡の特別な人になりたい…そんな雅人に匡はある提案を持ちかけたのだが。僕のこと、どう思ってる?体の関係を持っても消えない不安。恋のもどかしさ、切なさを優しく綴ったスイートラブストーリー
「俺、ここにいてもいいですか?」誰も自分を知らないところでやり直したい、そう願った御崎夏南は、幼い頃に一度だけ訪れたことのある海辺の町に降りた。そこで気難しいうえに偏屈なカメラマン、橋場洸陽のコテージに住み込みで、家事雑用の仕事をすることになる。過去から逃げてきた夏南。怪我によりカメラマンとしてのキャリアと同時に希望も失った橋場。傷ついたふたりの出逢いは、やがて新たな希望をもたらすのだが……!?
青鯉
もしかして、私は、臭っているのではないだろうか。平凡な会社員として暮らしてきた七瀬亮は、ある日突然、自分の体臭が変わったことに気がつく。いったい、どうして?そんなとき、川辺に住む老人からプールへ行くように助言される。そこで七瀬は運命的な出逢いは果たす。愛とか恋とか、そんな言葉では語りきれない出逢いだった──宇宙を巡る奇蹟のロマンス、誕生!表題作ほか吸血鬼の焦がれる想いを描いた『デリート』も同時収録。
37℃
「悪いんだけど、俺をしばらく泊まらせてくれないか」銀行に勤める野田に突然掛かってきた数年ぶりの電話。それは、大学時代の野田の秘密を共有する男、若杉からだった。泊めることを了承してしまえば、面倒なことになる… そうわかっていながら、野田は頷かずにはいられなかった。とっくに終わったはずの関係だ…… それなのに…? 静かな熱病のような恋が始まるーー!