だれでも抱けるキミが好き

ただのエロかと思ったら

だれでも抱けるキミが好き 武田スーパー
六文銭
六文銭

童貞地味男のゴトウとビッチなギャル・アガワさん。 冒頭からアガワさんのビッチさ全開の姿を見せつけられ、ゴトウくんはカルチャーショックをうける。 と、いうのも普段は委員会が一緒で、ギャル特有のフランクさに童貞のゴトウくんは秒でやられて、アガワさんが気になる存在になっていただけに、生々しいビッチさにショックをうけてしまった、、という流れ。 そこで童貞特有の女性に対する幻想に、第3者的に苦しむだけかと思ったら、そんな葛藤も一瞬で、ゴトウくんもアガワさんとやることをやってしまう。 そこが、ひと味違い個人的に面白いと感じました。 ゴトウくんもアガワさんのセフレの1人に成り下がってしまったことで、どこか自分だけは他の男子と違うとか思っていただけに、その落胆さと、身の程をわきまえ始める感じが、哀愁漂います。 ピュアな気持ちなど、最初からなかったのか?と。 アガワさんも掴みどころなく、ポンポン相手を代えるから、またすごい。 そんな姿にゴトウくんが嫉妬で狂いそうになって、今後どう動くのだろうか。 そして、それにアガワさんはどう反応するのかな? アガワさんがヒキ気味だと現実味があって面白いと思ってます。

ドラゴンヘッド

本当に恐ろしいのは人間の心なのです…

ドラゴンヘッド 望月峯太郎
かしこ
かしこ

初めて読みました!が、昨年出版された「総特集 望月ミネタロウ」が出た後に読んでよかったかも。 全編通してみると、やっぱり序盤の修学旅行からの帰り道に新幹線がトンネルに閉じ込められて脱出しようとする場面が、何が起きたか分からないワクワクという漫画的な面白味がありますね。それが徐々に逃れられない自然災害だったと判明するのは、エンタメとしてはカタルシスが足りないかもしれません。ただ、(実際に連載中には阪神淡路大震災も起きたそうですが)前出のインタビューによると構想段階から「天変地異は起こるけどそんなスペクタクルな話じゃない」「闇をテーマにした地味な作品」というのは決めていたそうです。 人間は暗闇の中にいると存在しない怪物を想像して恐れてしまうけど、本当に恐ろしいのはそんな自分と向き合わないことである…というのは、ものすごく普遍的なテーマだから、いつ読んでも「今に通じる話だ、これ…!!」と思うんだろうな。特に今現在のSNSを中心にした不寛容な時代の雰囲気ってこれが原因なんじゃないかなって思いました。 ドラゴンヘッドを読むとその後に東京怪童を描かれたのも自然な流れだったんだな〜と分かりますね。