兎なりのウサギさん

このうさぎマンガがかわいい2023 #1巻応援

兎なりのウサギさん 野広実由
兎来栄寿
兎来栄寿

うさぎが、かわいい…… かわいいうさぎが、かわいい(語彙力)。  今年は卯年。2023年に相応しい、うさぎマンガの真打が登場しました。名前に兎が付いており、うさぎをたくさん飼っているウシジマくんに羨望を覚えるくらいうさぎ大好きな私はニッコニコです。 高校1年生で顔の怖い少年・青枝(あおし)と、大学1年生の紅詩(もみじ)は隣に住む幼馴染で、実は両片思い。紅詩は新たにうさぎの「みたらし」を飼い始めることで、小動物が好きな青枝とまた少し距離を縮めていくというラブコメ要素もまじったうさぎマンガです。 兎に角(うさぎだけに)、みたらしがかわいくかわいく描かれていて堪りません。 キュルンと見つめてくるつぶらな瞳 撫でを要求してぐいぐい来る様 撫でられてご満悦な様 齧歯類の本能として色々なものを齧る様 元気いっぱいに走り回る様 ちんまりと座っている様 プスプスと天使の寝息を立てたり、船を漕ぐ様 etc… ブラッシングや爪切りを嫌がる様などは、他の動物と暮らしている方も「あるある!」と共感するところでしょう。我が家のポメラニアンとそっくりな態度の所もあって、にっこりしてしまいました。 みたらしもかわいければ、途中で描かれるネザーランドドワーフやロップイヤーの仔うさぎたちも犯罪的にかわいいです。 かわいいうさぎをたっぷり堪能したい同志にお薦めです。 現状では電子配信のみということで、書店ではこのかわいいうさぎには出逢えないのでご注意ください。

ウサギ目社畜科

カワイイの向こう側に透けるブラックさとキモさ(いい意味)

ウサギ目社畜科 藤沢カミヤ
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

まず、めっちゃカワイイ。 それは何を置いても第一に来る。 月での異常な労働環境で働いてきたがリストラになり地球に来たふわみ。 この表紙のピンクの髪のうさみみのカワイイ生き物がふわみである。 部屋に転がり込んできて居候するという伝統的なドラえもんスタイルから始まるが、ブラックすぎる環境にいたせいか、不憫すぎるほどに従順で一生懸命で身も心も過剰に社畜だ。 なぜなら働かないと、溶ける。物理的に、身体が。 普通に不憫だとただかわいそうに・・となるが、ここまでくると超カワイイ。 不憫カワイイ。 社畜力53万と言われてもおかしくないくらいに価値観の違う社畜で完全に異文化交流だ。 世紀の発見である月の住人に部屋の掃除をさせご飯を作らせる。 しかも本人はそれを至上の喜びと捉え感謝している。 こんなの狂ってる! でもカワイイのだ。 だからオールオッケー。 社畜とは何か、その行き過ぎた行為の現代社会の闇の一端に触れたような触れてないような、そんな気になった。 もしかしたら働きすぎな現代人への警鐘をカワイさに包んで鳴らしてくれているのかもしれない。 個人的には、体の一部が大きくあるキモさとデフォルメされたへたったウサギっぽいところが好きです。