和歌山マンガの感想・レビュー8件表紙の笑顔に惚れた紀伊半島 海町ごはん 元町夏央starstarstarstarstarnyae表紙の可愛い女の子の笑顔に一目惚れして、読んでみてエッセイだとわかりびっくりでした。それについて最初に書いておくと、エッセイとして作者の自画像そのままで描くよりも可愛い女の子で描いたほうがいいとアドバイスされ、このキャラクターになったそうなので、まんまと戦略にはまってしまったのでした。 それはそれとして内容は紀伊半島で出会う様々な食材とグルメ、優しい人たちに出会う様子がとても羨ましくて、様々な理由でから自分には実現できない分、他人事として最高に楽しめました。あと作者の料理のポテンシャルの高さがいちばん印象的でした。鶏を丸ごとさばくことはできないけど大抵のことは自分でこなしていました。 一方で、漫画家としての忙しい生活の様子も随所で描かれており、原稿中はほぼ引きこもりで食事にも気を使わないというギャップがリアリティがあってよかったです。 こういう人はどこに行っても変わらず生きていけるんだろうな。サスペンス好きとしてもおもしろかった!サマータイムレンダ 田中靖規かしこあまり少年マンガを読まないタイプなのですが、表紙が気になって読んでみました。女の子が可愛い系の話かな?と思ったらめちゃくちゃサスペンスでおもしろい。サスペンス大好き!話の見せ方がゲームをしてるみたいな感じだ…と思ったら、作者さんがゲーマーさんっぽいので納得。廃病院の地下での戦闘シーンとかめっちゃホラーゲームみたいで怖かった!この作品はアニメ化よりゲーム化してくれたら嬉しい。いや、強制的にタイムリープさせられるとか苦痛でしかないか。エルトゥールル号の読切テシェキュルエデリム~ありがとう 石川雅之starstarstarstarstarひさぴよ週刊モーニング2014年21・22合併号に掲載された32ページの読みきり。単行本未収録で電子のみ。 1890年にトルコの軍艦が和歌山県沖で沈没。事故の救助を行った日本は長らくその事を忘れていましたが、トルコの人々はその恩義をずっと忘れておらず、1985年のイラン・イラク戦争で、邦人救出に尽力してくれました。その一連の歴史を取り上げた漫画です。 作画の石川雅之先生、和風も西洋もどちらも上手いのでこの物語を描く上で適任ではないでしょうか。ドキュメンタリータッチで、かなり真面目な内容ですが過剰に美化などしてないのは良いですね。 トルコとの友情がこれからも続けばいいのですけど、少しでも裏切ったら逆に怖い国だな…と思いました。海辺で宝探し女子高生! #1巻応援下を向いて歩こう 湖西晶あうしぃ@カワイイマンガこの作品は「ビーチコーミング」という趣味を取り上げています。ビーチコーミングとは、海辺で漂着物を拾ったり、観察したりする趣味のこと。私はこの趣味をマンバ通信の記事で知り、作品に興味を持ちました。 https://manba.co.jp/manba_magazines/11307 そんな趣味を楽しむ女子高生達。 ●ビーチコーミングが好きな旅館の娘・硝子 ●スイスから越してきた碧眼娘・シエル ●硝子の幼馴染で科学部所属・さざれ 今まで一人で浜を探索していた硝子は、シエルにぐいぐい押され、二人をくっつけようとするさざれと三人で海岸に繰り出します。 キラキラした物、不思議な自然の造形が沢山出てきて飽きさせません。地面に視線を這わせて宝を発見するのは、例えば山菜やきのこ、鉱物や化石趣味と似た楽しみでしょうか。 面白い物を見つけて、感じたことを共有し、互いにツッコみ笑い合うのは楽しそう。自ら孤独を選んできた硝子がシエルに明るく迫られながら、人と関わり始める物語は優しく愉快! 恐らく2巻以降、さらに面白くなると思うんですよね。その鍵となるのは、途中参加の ●ちょっと怖い手芸部のすさみん ずっと海岸で拾うばかりだった三人に、すさみんは「加工」という概念をもたらします。そのショックは、素敵すぎて硝子が涙するほど。1巻でも少し出てきますが、2巻以降、拾った物を「加工」する「物作り漫画」に化けていくのか……という観点でも、注目していきたいと思います。 和歌山・白浜(2巻以降、串本も)ご当地漫画としても、注目! 大切に描かれ、大切に育てられた作品びんちょうタン 江草天仁なかやま自分はアニメからこの作品に入ったのですが、4コマと言うジャンルの枠を超えている素晴らしい作品で、主人公のびんちょうタンの生活を美しく描いていると思っています。 内容は主人公のびんちょうタンの貧しくも清らかに慎ましい生活を中心に描かれたもので、彼女の友人の話や学校へ行きたいなど、本人の世界が徐々に広がっているところが見ていて、心があたたかくなります。 特に、おばあちゃんの話は10年以上たっても、自分の心に刺さっています。 1巻前半の雰囲気とは後半から大きく変わっていくので、試し読み出来る部分と話の軸がちょっと変わります。(ちょっと注意ですが、読んでほしい) wikipediaをみると、即興で考えたキャラクターがひっそりと雑誌の片隅で始まり、徐々に人気が出てアニメ化とのことでした。 自分がこの作品を大きく評価しているのは、その即興で生まれたキャラクター達に命を吹き込んで且つ育て上げた作者の 江草天仁 さんの存在です。 例えば、 びんちょうタンが頭につけている「炭」ですが、コレは単純に備長炭のキャラクタだからつけている、というよりも村には「炭をつける」という風習があり、伝統を重んじる家庭の子供は炭を付けている と言う感じです。 そして、全4巻の作品ですが これ・・・同人誌版で『学校編』が存在します。 連載が終わった 2008年から同人活動として連載を続けて、2013年にまとめた本が発表されています。 これは、きっと作者さんがびんちょうタンを学校に行かせてあげたい、という優しい思いがあったのだと考えます。 大切に描かれ、大切に育てられた作品です、是非タイトル通りの内容炭焼物語 武野繁泰 宇江敏勝starstarstarstarstarマンガトリツカレ男炭焼物語のタイトル通り「炭焼きを生業とする青年の日常を描いた物語」 炭作りの工程だけではなく山奥での野生の動物との出会いや、イノシシ狩や、炭焼き師達との交流などが書いてある。昭和30年代の山奥での生活もわかり面白かった。 「炭焼物語」/「まんが 新白河原人 ウーパ!」/「鬼滅の刃」といい炭を焼く漫画はどれも面白いいまジャンプ+で一番楽しみなマンガサマータイムレンダ 田中靖規starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)夏、幼馴染の潮という少女の訃報を聞き、和歌山の島に帰る主人公の慎平だが、島では誰にも気づかれずじわじわとある異変が起こり始めていた。 やがて慎平はその謎に巻き込まれていき、どうやら自分が解決の鍵を握っていると気づくようになる。 好きな要素がいっぱい入っているんです。 夏、海、島、田舎、方言、幼馴染、死、葬式、死体の謎、違和感、じわじわと迫りくる異変、夏祭り、一家蒸発、そしてネタバレになってしまうので言えない、ある設定がもうたまらないんですよね。 そして主人公の、口癖「フカンしろ」は、読後しばらくしてもすごく残ります。 冷静になって俯瞰すれば自ずと解決の糸口が見えてくる。かもしれない。 そんな状況になったら僕も小さい声でブツブツ言ってみようと思います。 サマータイムレンダを読んで書いているいま現在春なわけですが、夏に読むのが楽しみです。 プロフェッショナル・コミカライザー琴音らんまるRDG レッドデータガール 荻原規子 琴音らんまる 岸田メルmampuku 原作イラストを岸田メル氏が担当し、アニメ化もした作品。純和風ファンタジーで、巫女とか神楽とか山伏とか陰陽師とかそういうのがオンパレード。とはいえわかりやすいモンスターが現れてそれを退治するとかではなく、現実に在るとしたらこんな感じかもなという「ありそう」感や「地続き」感、目には見えないけどなんかヤバいのが近づいてきてる的なジャパニーズホラー感が独特の雰囲気を醸しています。 作画担当の琴音らんまる先生は数多くのコミカライズを手掛けていますが、「君の名は。」と比べてこの時は制作時間や人手が充実していたのか、非常に美麗で見ごたえのある漫画作品になっていると感じます。作品によって描き方を変えるというのも、きっと誰にでもできることじゃないですよね。
表紙の可愛い女の子の笑顔に一目惚れして、読んでみてエッセイだとわかりびっくりでした。それについて最初に書いておくと、エッセイとして作者の自画像そのままで描くよりも可愛い女の子で描いたほうがいいとアドバイスされ、このキャラクターになったそうなので、まんまと戦略にはまってしまったのでした。 それはそれとして内容は紀伊半島で出会う様々な食材とグルメ、優しい人たちに出会う様子がとても羨ましくて、様々な理由でから自分には実現できない分、他人事として最高に楽しめました。あと作者の料理のポテンシャルの高さがいちばん印象的でした。鶏を丸ごとさばくことはできないけど大抵のことは自分でこなしていました。 一方で、漫画家としての忙しい生活の様子も随所で描かれており、原稿中はほぼ引きこもりで食事にも気を使わないというギャップがリアリティがあってよかったです。 こういう人はどこに行っても変わらず生きていけるんだろうな。