課金される男たち

何もかもメチャクチャで勢いが半端ない

課金される男たち あああ
たか
たか

今日の新刊を見てて「!? 表紙にいらすとや使ってるヤベー漫画あるぞ」と思ったら『トリップした先がクリア済み乙女ゲームだったから推しとは絶対付き合える』の人で全部納得した。 読んでみると中身は正直想像を遥かに超えてやりたい放題ですごかった…wwまず設定がすごい。 ・表紙のいらすとやの人は弱小事務所のプロデューサー ・アイドル育成乙女ゲーアプリのキャラたちは実はみんな弱小事務所に所属するイケメンアイドルで、自分自身をLive2D化し撮影したものがゲームに使用されている ・アプリ起動中はユーザを見ることができる ・声優は別で居て声を当てている ・社員が居ないのでアイドルたちがTwitter担当したり、不具合報告に対応している ようはガチャで引かれる側のアイドルたちが自ら乙女ゲー&ガチャゲーの運営をやっているという話なんだけど、そのアイドルたちというのがクセ強すぎキャラ濃すぎのとんでもないやつら。 バグ、詫び石、ルビーばらまき、イベント、改悪アプデ etc…。サービス終了回避のために軽率にいろんなことをしでかすのでしょっちゅう炎上してて笑う。 (乙女ゲーなのにある重課金ユーザに肩入れしてその人の名前を言いまくるアイドルがいたり、男キャラしか出てこない乙女ゲーなのに面白半分に「枕が2つ並んだベッド」をアイテムに追加したり…。超えちゃいけないラインを全力の走り幅跳びで超えていく) 「炎上してて笑う」って書いたけど、思ったよりしっかりアプリゲー運営を描いていてリアリティレベルが高いのに、そこへ想像以上にとんでもない展開をぶっこんでくるから読んでて笑っていいのかちょっと心配になった。 作中ではアプリの運営もメチャクチャだけど、それ以外も色々すごい。 いらすとやに留まらず「戦国IXA」を良アプリゲーの例として出したり、著者のBL作品『だって騙されるほうが悪い』のキャラを登場させたりと、作品と次元の壁をぶっ壊しまくり。 自著のキャラはともかくとして、「戦国IXA」は唐突すぎて新手のマーケティングの一種かと思った。これはマジで何だったんだ…? 面白いかどうかは人によると思うけど…ヤベー漫画だっていうのは満場一致する漫画だった。

インドへ馬鹿がやって来た

インド人もびっくり!

インドへ馬鹿がやって来た 山松ゆうきち
かしこ
かしこ

一攫千金を狙ってインドで劇画漫画を売ろうとしたけど失敗した実話です。お金儲けの参考には全くなりませんが、英語もヒンドゥー語も喋れないのにインドに渡って、部屋を探して、現地で人を探して漫画を翻訳して、日本と同じように製本して、道端で売る…結果として失敗に終わったとしても、この偉業をたった一人で成し遂げたガッツには見所があり過ぎるくらいあります。インドに来てから帰るまで、交渉、交渉、交渉…の日々なんですが、それがスムーズにいかないのが当たり前で、私なんかは読んでるだけで体力を消耗してしまいました(何度も単語が出てくるので「ナヒーン(ダメ)」を覚えてしました)。でも山松ゆうきちさんにはお金を儲けたいのと同じくらいの気持ちで「俺が面白いと思う漫画を面白がってくれる奴がインドにもいるはずだ」と思っているピュアなところがあるので、最後まで見届けたくなるんです。スラム街に住んでいるタフなインド人と対等にやっていけるんだもん、あらゆる面でただ者じゃないです。私は自分のことを感覚的に生きる右脳タイプの人間だな〜と思ってたのですが、山松さんの生き方を見ていて自分はまだまだ理性的だったことを悟らされました…。

諍い・ハーレム

こんな"異世界転生"アリですか!? #1巻応援

諍い・ハーレム シギサワカヤ
sogor25
sogor25

主人公のプログラマーの男は、お盆休みの帰省中にイノシシに轢かれて死んでしまい、その結果、自身が開発に携わるゲーム「ファイナル・ドラゴン」の世界に転生してしまいます。 開発途中なだけあって、キャラクターの姿がダミーの画像だったり、転生直後に出会ったヒーラーの女性の名前が仮で付けられた「田中」だったりと世界観はどうにも締まらない感じ。 それでもなんとかこの世界で幸せに生きることを望んでいた主人公なのですが、様々なトラブルに襲われながら、“勇者ルート”としてこの世界を救う冒険の旅へと巻き込まれていくという物語です。 この作品、主人公の名前が「ルート権限」の"ルート"から来ていたり、道中で見かけたバグをデバッガーの如く修正して回ったりと、ゲームネタが多く盛り込まれている作品です。 いろんな種類のバグが現れては主人公にトラブルをもたらす、その様子も転生モノとしての目新しさを感じさせる作品なのですが、それ以上にタイトルにもある"ハーレム"の要素が1話の途中から強烈に打ち出され、作品の世界観は一気にアダルトな方向、シギサワカヤ作品の世界観に引き込まれます。 ファンタジーの世界にバグなどのゲームの要素、そして主人公を取り巻く愛憎劇と様々な要素が混じり合った唯一無二の世界観の作品です。 1巻まで読了