BE-BOP-HIGHSCHOOL

現代ヤンキーマンガの祖

BE-BOP-HIGHSCHOOL 木内 一裕
酒チャビン
酒チャビン

このマンガがなかったら東京卍リベンジャーズも生まれてなかったので、そう思うとかなり感慨深いですね。私はリベンジャーズ読んでないのですが、池袋のアニメイトにすごい女子が並んでるの見てそう思いました。 こちらの作品との出会いですが、たぶんわたし中学生にはなってたと思うのですが、当時、田舎のおばあちゃんちに行くときに、大体駅の売店(キヨスク??)でマンガを2冊とか買ってもらえるじゃないですか(弟購入分と合わせて4冊)。なんか回転するやつにマンガが刺さってるのですが。それでビーバップの8巻(10巻だったかも)を買ったのが最初です。当時新刊だったのでしょうか、たまたま刺さってて、別にヤンキーに目覚めたりしていなかったのですが、それしかなかったんですね。 最近ヤンマガWEBで47巻まで無料だったので死ぬ気で読みました。おかげでブルーライトにやられたのか、何もしてないのにジワジワ涙がずっと出てます。 いやでもやっぱ面白いですね。初期はゴリゴリのヤンキーもので絵も描き込みが細かく、劇画調だったりするのですが、10巻くらいからほんわりとしたタッチのギャグマンガになります。そのギャグがまたセンスが良いのですよね。180話とかくらいからほぼケンカとかしないですね。ギャグです。全然シャバいです。 しかも後半に行くに従って、コーンフレークの漫才よろしく、偉大なるテンプレを確固たるものにして、あれ多分ネームとか速攻できてると思いますし、無限に話し続けられると思います。 しかもテンプレ使用のうえ、ストーリーラインも①ゲンさんもの、②ベンツ兄弟もの、③黒ちゃんもの、④順の巨乳好きの話、⑤しんぺーのダメ人間話の5つくらいで回し続けていて、偉大なるマンネリを延々と続けます。しかもネガティブなこと言ってるのではなくて、毎回面白いんですよ!!!延々と読み続けられます!!「日常」ってこういうことなんだな。そんな風に感じられます。 ちなみに無料は47巻までですが、実は48巻まであるので注意です。最終巻、わたしも買おうか買うまいか迷っているところです。日常は日常のまま続き、最終回とかないらしいので。 どんな方にオススメかというと、ヤンキーマンガが好きな方にオススメです。女子ん家にあるのを見たことがないので、ひょっとすると女子ウケは弱いかもしれません。ちなみにBL要素は2話ほどあります。

イケメン女子と金髪ショタ

おねショタ好きでなくとも響く物語 #1巻応援

イケメン女子と金髪ショタ ふじもとまめ
兎来栄寿
兎来栄寿

第1,2話がバレンタインデーのエピソードから始まる『イケメン女子と金髪ショタ』。正に本日2月14日に読むに相応しい作品です。 背が高く容姿端麗で運動神経がよく性格も優しく料理やお菓子作りも得意な愛波昴(まなみすばる)は、女子校で王子様ポジション。バレンタインデーにはチョコレートで山が築かれるほど大人気。そんな昴の家の隣に、最近引っ越してきたのが日本人の父とアメリカ人の母を持つハーフの少年・マルクくん。物怖じしながらも、ときには海外流のスキンシップも厭わない無垢な少年によって昴の心は掻き乱されていきます。 いわゆる「おねショタ」ですが、王子様系女子のクールな佇まいが崩され、ドギマギするのが好きな方も多いのではないでしょうか。ふじもとまめさんの可愛らしい絵柄もあいまって、ラブコメとして非常に秀逸です。 ただ、タイトルからしてもライトな内容を想像するかもしれませんが、この物語の価値を高めているのは一見穏やかに見える状態の裏に登場人物たちが秘めている気持ちとその描き方です。昴は、周囲からは完璧な王子様であることを求められているが故にその役割を全うすることを半ば自分にも強いています。しかし、どこかでそれは本当の自分ではないのではないかという気持ちも抱いています。そんな自分の素の気持ちを引き出してくれる役割がマルクくんという存在。 マルクくんはマルクくんで、友達と別れてやってきた異国の慣れない環境で、ひとり色の違う自分が新しく通う学校で無事に友達ができて上手くやっていけるか不安を抱えています。そんなときに手を差し伸べてくれた昴の存在は、彼にとってどんなにか大きくありがたいものだったか。 ただ明るく楽しいだけではない仄暗さもありながら、お互いが関わり合うことによって光の差す方へと進んでいく。一見すればタイトル通りのおねショタではあるのですが、その奥にある本質的な部分での繋がり、救い合う関係性は、もしふたりがまた違った年齢・性別であったとしても変わりなく尊いものです。そうした関係性が丁寧に描かれているからこそ、読んだときにハートフルさが胸を温めてくれます。 個人的には、昴の本質に気付いておりその上で自分の想いに自覚的な幼馴染みの紀代乃ちゃんがとっても気になります。本作のタイトルからしても概ね大道寺さくらちゃんポジションになってしまうとは思うのですが、だからこそ美しい。そういうものもあります。 おねショタ好きの方はもちろんですが、そうでない方にも広くお薦めしたい作品です。