あらすじ「こんなことをしていて、監督になんかなれるのだろうか?」映画監督を目指す青年・波野は助監督として日々の仕事に追われていた。監督を目指すことを諦めた加古川の存在、そしてシナリオコンクールで受賞した後輩・武田の存在。“才能”だけがものをいうシビアな世界で、「映画が好き」という気持ちすら揺らぎ、自信喪失しそうになっていた。そんな中、実家から父が倒れたとの報が届き………
助監督と言えば聞こえは良いですが、その中でも三番手の雑用同然な主人公。この立場からの映画作りを描く作品って意外にないと思いますし、スクリーン裏の苦労や業界の厳しさはストレートに伝わり、読後は映画鑑賞する時の感じ方が少し変わった気がします。 展開は地味ですし、主人公のヘタレ気質はちょっと鼻につくものがあって、ついに辞めるか悩みだした時は辞めちまえよと思ってしまいましたが。 単行本の装丁デザインはこれで手に取る吸引力がありました。