あらすじ

生まれて間もない新興住宅地――。真っ直ぐ伸びる道路、迷いようもない住居表示。けれど、この整然とした町に住む人々の心の内は、ときに――。悩み、苦しみ、傷つき、悲しみ……、幸せを探しあぐねて、ふと迷い道。毎日同じように繰り返されていく平凡な暮らしの中で、突然、心の迷路に入り込んだとき、行くべき道はどこにあるのか……? 明日へ踏み出し、歩き続けるための“しるべ”探しの物語。
迷路のない町 ― 齋藤なずな作品集 1巻

生まれて間もない新興住宅地――。真っ直ぐ伸びる道路、迷いようもない住居表示。けれど、この整然とした町に住む人々の心の内は、ときに――。悩み、苦しみ、傷つき、悲しみ……、幸せを探しあぐねて、ふと迷い道。毎日同じように繰り返されていく平凡な暮らしの中で、突然、心の迷路に入り込んだとき、行くべき道はどこにあるのか……? 明日へ踏み出し、歩き続けるための“しるべ”探しの物語。

恋愛烈伝 [上] ― 齋藤なずな作品集 2巻

情熱の歌人・与謝野晶子と鉄幹の夫婦に、山川登美子が起こす波紋……。夏目漱石と鏡子夫人の夢と現実の抗争……。高村光太郎と智恵子の永遠なる愛の真実……。放浪の俳人・種田山頭火を待ちつづけた美しき妻と息子……。日本、アメリカ、カナダ、中国と駆けめぐった田村俊子の遍歴……。インテリ作家・有島武郎の情死行を見つめる与謝野晶子の真情……。近代作家たちの愛と生と死の真実に迫る“文学批評”コミック。

恋愛烈伝 [中] ― 齋藤なずな作品集 3巻

日本近代文学史に燦然と光り輝く若き天才、芥川龍之介の光と闇……。林芙美子の『放浪記』が生まれるまでの人生を赤裸々に綴った夢と憧れ……。日本近代詩の完成者といわれた萩原朔太郎の不在の愛を求める苦悩の彷徨。近代漫画のパイオニアとして、その偉大な足跡を残した岡本一平と、純真無垢で芸術への夢をどこまでも追い続けた岡本かの子との愛の行方……。イーハトーブの夜空を切り裂いて逝った宮沢賢治とその友との愛と別れ……。愛と死の日本近代文学史「恋愛列伝」の第二弾。

恋愛烈伝 [下] ― 齋藤なずな作品集 4巻

巨きな樹でありたい……、自己を貫き通した芸術家・武者小路実篤と二人の妻。出口はどこに……、明治という時代に圧殺された樋口一葉、聖女か、夜叉か……。傷つきやすい魂に真実であろうとした無頼派・太宰治の絶望の果て……。日本の夜明けを駆け抜けた明治の文豪・島崎藤村の心の暗部に棲む魔獣……。ひたすらに己の自我を生きた童謡詩人・北原白秋の目に映った色、色、色。日本美術界に大いなる遺産をのこした岡倉天心がみた悠久の夢……。情愛と、文芸への愛ゆえに苦悩し、輝き続ける日本近代作家伝、完結。

齋藤なずな作品集

「オバサン文学」の傑作

齋藤なずな作品集 齋藤なずな
toyoneko
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齋藤なずな先生は,ビッグコミック等で作品を発表している作家です。 代表作は「恋愛烈伝」など。 …などと書いてますが,私が齋藤先生を知ったのはごく最近で, マンバのこの書き込みで知りました。 https://manba.co.jp/topics/16647/comments/171559 ほうこれはどんな作家なのだろうと思って, とりあえず「齋藤なずな作品集」のうち一つである, 「迷路のない町」という短編集を読んだところ,大変な衝撃を受けました。 傑作!! 「迷路のない町」は,中年女性とか中年男性を主人公にして, ちょっとした日常の出来事を描く短編集です。 そこで主として描かれるのは,老いとか,加齢とか, コンプレックスとか,人間の心の弱さであり, それが鮮烈に切り取られて描写されます。 「中年ならではの心境」を,解像度高く描き出す作者の力量は, ちょっと只事ではありません。 特に,中年女性が主人公の作品群が凄い。 「彼岸花」「ごはさんで願いましては…」「花いちもんめ」「鴨居」あたりはどれも大傑作。 「ごはさんで~」のうち,「電気店の店頭にあるテレビにうつった自分の姿をみて, 自己イメージと現実の違いに気づいてしまうシーン」(添付)なんて, 本当に絶妙な切り取り方です。 私は,この作品集は, 他に類をみない,「オバサン文学」の傑作だと思っています。 「迷路のない町」は,kindle unlimitedに収録されていますので, 読んだことがない方は,ぜひご一読を。 なお,齋藤先生の作品はほかにもいろいろkindle unlimitedに収録されています。 そのほかに,数年前に発行された「夕暮れへ」という作品集もあります。 ほとんどが再録ですが,「トラワレノヒト」「ぼっち死の館」は新作です。 前者は老人介護文学,後者は老人団地をテーマにした作品で, いずれも大傑作なので,この2作品のためだけに購入しても全然大丈夫です。 最新の作品集は「初期傑作短編集 ダリア」。 幻のデビュー作ほか,初期作品を収録した短編集とのことです(まだ読んでない)。 さらに,齋藤先生は,「ぼっち死の館」を今でも不定期連載中。 https://bigcomicbros.net/8276/ 70歳をこえてなおも現役で活躍中。応援してきたいです。