「おみやげ」でお菓子を貰うのは嬉しいことです。 渡したほうも、お礼を言われたり、 美味しいと言ってもらえれば嬉しいし。 それで人間関係が良好になるなら良いことづくしです。 だが、まったく美味しくなかったり、どうころんでも 話のネタにすらならないものを貰っても戸惑ってしまいます。 渡したほうも、相手が全くノーリアクションだったり、 ましてや不味いとでも言われたら、けっこう落ち込みます。 色々な意味で「重い」おみやげってのも 渡されても困ったりもします。 また、過度に恩を感じられてもそれはそれで贈ったほうも困ります。 結果的に人間関係が気まずくなったりしたら全く無意味です。 あまり選択に悩まず、値段的にも重みでも互いにさほど 負担ではなく、その場の空気が軽く明るくなって その日の話題に昇るくらいのもの、 そういう程度のものを渡し、貰う。 こういう、ちょっとだけを連鎖させたおみやげってのが、 おみやげの正しいやりとりなのかもしれません。 「おみやげどうしよう?」の主人公の基山トウコさんは、 そういう意味では結構ギリギリだと思います(笑) 大学職員の22才。学生募集で全国各地に出張に行く仕事が多い。 そして出張帰りにはおみやげ持参が職場の慣例化している。 トウコさんは仕事はバリバリこなす。 だが仕事をこなすことより出張時のおみやげを どうするかについて仕事以上に悩んでしまったりする。 結構、値段のはるものを選んだりもする。 まあそこそこ楽しみながら悩み選んではいるのだけれども。 そして何より「これはギリギリだな」と思う点があって、 それはトウコさんが何より報われるのが 一見は冴えない中年オジサン上司が、 おみやげを味わって喜ぶ笑顔をみることだったりすること。 愛らしいオジサンではあるけれど・・ 22歳の女の子の喜び方としては結構、 ギリギリだと思います、これ。 (食の知識は豊富で味覚も鋭く、人柄もよいオジサンではあるが) それらのギリギリ感がこの漫画の独特な味に なっていると思いますが。 笑っちゃったのは、トウコさんがかつて浜松みやげとして 「うなぎパイ」を渡したところ、相手から 「美味しいけれど(貰いすぎていて)あきちゃった」 と言われてトラウマになった話。 実は私は以前は静岡から出張で来る方が多い職場にいたので、 まさにこの通りで渡されるほうとして 「うなぎパイは美味しいけれどあきちゃった」 という気持ちがものすごくよくわかるのです(笑) けれどそういわれたトウコさんからしたら 「それ以降、おみやげ選びにいっそう命がけになった」 と、なるほどに傷つく一言だったんですね。 すみません。 まあしょうがないかなとも思う面もあります。 人それぞれ好みや環境の違いがありますし。 私も「うなぎパイ」「八ッ橋」は貰ってありがたくないけれど、 「萩の月」「マルセイバターサンド」なら何箱貰っても嬉しいです。 そんなん廻りの人間が知る由もないわけですが。 まあ貰う人渡す人、それぞれ個性がありますから、 そんななかでベスト・マッチングのおみやげの やり取りが出来た時は ホントにお互いに嬉しい、ってことですよね。
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