山で出逢った二人が織りなす、登山恋記。夫の遺した“山日記”を辿り登山する、麗しき未亡人…… “大切なもの”を失った女と、“大切なもの”に出逢った男のセンチメンタルで雄大な登山恋記。 ――――――――― 風の音、虫の動く音、沢を流れる水の音、心臓の音―― 「山に登っているときだけ、生きている心地がする」と山に魅せられ、山を愛する男―― 加賀山峻(かがやま しゅん)。彼がある日出逢ったのは、山には似つかわしくない風貌の独りの女性、千堂 椿(せんどうつばき)だった。見るに見かねて同行した加賀山は、彼女が“山を登
題名を見て「もしかしてエロ漫画!」と 思ってしまった。 ゴメンナサイ。でも人間だもの。 第一巻を読んだ限りエロ要素皆無。 きわめて健全な男女バディの登山漫画でした。 愛した夫が亡くなり、夫が愛した山に登ることで 知らなかった夫のなにかを知ろうと未亡人が山に。 そして登山道で、山を愛し登山者を愛する男と出会い、 そこから未亡人は男に登山を基礎から指導してもらい、 山を、夫について判っていなかったことを 徐々に知っていくことになる。 いい物語なんですよ。ピュアで。 登場人物みなさんが純粋で。 山って自然っていいものなんだな、と感じるし、 登山を始める人向けの教科書みたいな内容になっているし。 けれどヒロインが未亡人だとか、夫が残した山日記があるとか、 ちょっと題名や設定が浅い感じもしましたね。 未亡人であることを題名にまでするほどか、とか、 夫の気持ちを知るのに山で見聞きしたことだけでなく 山日記があって都合よく理解の手助けになる、とか、 ちょっと話が安直というか、ストーリーが深いようでいて わりと安易で浅い感じもうけました。 登山道で普段着みたいな未亡人に出会うとか、 出会った男が下心皆無とか、 そういう物語を「だから面白い」と思うか 「ないわー、それはありえんわー」 と思うかで、この漫画の評価は別れるでしょう。 私は 「ありえんわー、山で未亡人と出会うとか、 山で熊に会うよりありえん出会いだわー」 と思いましたが、そのありえなさもひっくるめて、 ちょっと奇抜な設定の登山漫画で、一周まわって こういうのもアリかもなあ、と思いました。