芥川(あくたがわ)との打ち合わせに現れたのは、いつになく憔悴しきった姿の獄本(ごくもと)だった。手を引かれそのまま彼のホテルに連れて行かれた夏目(なつめ)は獄本から「誰にものにもならないで欲しい」と乞われる。世界一敬愛する作家であり恋人である彼が見せる素直な感情に、夏目はようやく自分の根底にあった心情を語り出す。獄本が綴る純文学も官能小説も理性をなくすほど愛していること、もうずっと獄本だけを愛しているのに傷付けてしまったこと――恋人になってからも燻り続けていた気持ちを打ち明けあった二人は…! 今も昔も、これから先も、この想いは永遠に。大人気シリーズ大団円最終話!