「猿の手 猿の手 私の願いを叶えておくれ――…」―――【猿の手】見てくれは干からびた猿の前足のミイラだが、それを手に入れた者は、どんな願い事でも三つ叶うという。ただし、相応の代償を引き換えにして―――。 「CASE.8 杉」民間人を庇い諸岡に撃たれた刑事・杉が意識を手放す間際に与えられたのは猿の手だった。「死にたくない」と願った末、一命を取り留めた杉の前に現れたのは彼が庇った女性・百合。一途に好意を寄せてくる百合に惹かれていく杉だったが、彼女が杉に近づいたのにはある目的があり…!? 鬼才・永矢洋子が人間の欲深さ、つかの間の幸福、そしてどん底を描く!! 『猿の手 VIII』 収録