「猿の手 猿の手 私の願いを叶えておくれ――…」―――【猿の手】見てくれは干からびた猿の前足のミイラだが、それを手に入れた者は、どんな願い事でも三つ叶うという。ただし、相応の代償を引き換えにして―――。 「CASE.6 まりあ」大女優になりたい、と猿の手に願ったまりあが手にしたのは紛れもないスターへの切符だった。順風満帆に女優への階段を駆け上がるまりあだったが、彼女をよく思わない先輩女優からの風当たりは強くなっていく一方。スキャンダルを仕組まれたまりあが猿の手に願ったのは…。 鬼才・永矢洋子が人間の欲深さ、つかの間の幸福、そしてどん底を描く!! 『猿の手 VI』 収録