あらすじ霊研究家・つのだじろうが実証にもとづき描く、現代社会の恐怖の数々!中堅タレントの風間エリカは交通費を浮かすために、思い切って中古のスポーツカーを購入した。しかし、ある墓の前を通った時、背後に人の気配を感じるのだった。そしてある雨の晩、とうとう車に異変が…!「中古車怪談」や、コックリさんにのめり込んだバーテンの末路、スペインの死霊の行列など、6話を収録したオカルトロマン!
オカルト系の漫画?と思わざる得ないタイトル、そしてハート型の窓?からのぞく死霊に顔を寄せる女性という表紙。そんな唯一無二のセンス漂うこの作品の内容は?といえば、男女の恋愛にちなんだオカルト短編集、がその正体。そのまんまといえばそうだし、想像できないといえばそうだし、う~ん。アノ最中に物が壊れる映像を思い浮かべる女性やストリッパーの控室での出来事など大人向きの表現が多く、恋愛話が中心なのでこのあたりが”ときめき”なのでしょう、きっと。じゃあ”墓”はどこかというと、必ずといっていいほど人がお話の中で死んでいる、ことからではないかと。まあ、これは単なる私の思い込みなのですが、内容的に実話に基づく話と思っていたら「本当にあってもおかしくない」と教訓じみたオチであったり、双子の同一性の謎解きかと思えば復讐譚であったりと、タイトルの意味以外でも幻惑されっぱなし。これはこの本に目を止めた時点で、著者の特異な世界観に捕らわれてしまったのかも。どうかみなさんは惑わされないように。