あらすじ父の墓参りにでかけたサチは、そこで出会った哲から、父と哲の関係を聞かされる。哲の話を聞き、サチはますます父の敵討ちにでる決意を強くする。堀田社長の手下から、社長が父を殺したことを聞き出したサチは、社長を殺そうと会社に乗り込む。その時意外な人物が現れ、いかさま博打と殺人のすべてが明らかになる。サチは社長を殺して殺人犯となってしまうのか!?イサムをめぐる、メグとあかねの争いは?太陽のように激しく、そして強い一人の少女を描いた感動の長編がここに完結!
1972年の作品。少年院帰りで保護観察中の少女、賭博師の娘で「死神のサチ」の二つ名を持つ16歳のサチが、新聞配達として住み込み普通の生活を送る中で葛藤し成長する話。 ヤクザの娘として幼い頃から白い目で見られて歪み不良になってしまったサチが、教師や世間に反抗しもがき苦しみながら、めぐみやイサム…小山田家の温かい愛情を受けて少しずつ成長していくところがいい。 サチの葛藤と反抗は心理学的な視点で見て、ものすごく真っ当な思春期の青少年の姿で自分は好きだけど、今の10代が読んだら「15の夜」と同じで微塵も理解できない意味不明な話なんじゃないかな。 終始サチが自分のことを「サチ」って呼んでるのが可愛いかった。