あらすじ

全てラーメンで解決ってのはどうだ…!! 「この土地を売ってほしい」来来軒の建つ土地を欲しがって、執拗に交渉を仕掛けてくる男。だが、店主の卓造はそのたびに断りを入れ、拒否の姿勢を示し続けた。するとそんな折、当の卓造が何者かに襲われてケガを負った。これが意味するところはなんなのか。一方、来来軒の危機に直面して麺太は意外な提案を口にした…。ラーメンとともに生きる、男たちの不器用で真摯な生き様を見よ!!
ばりごく麺(1)

ガムシャラに喰え!! それがラーメンだ!! うだつのあがらないサラリーマン、潮崎朗馬。ある日、雨宿りのつもりで入ったラーメン屋で、堂々と代金を踏み倒す男に遭遇する。それは、名前、職業、過去、一切不明の謎の男。しかし、その謎の男との出会いこそ、ラーメンで朗馬の人生が変わる転機だった…。鬼才・能條純一が、ラーメンを通じて男たちの人生を描く!!

ばりごく麺(2)

同じ料理人として…ラーメンで殺します!! 謎多きラーメンの達人、榊原麺太を訪ねてひとりの男が店にやって来た。男の名は李 玄武。中華の天才児とマスコミでもてはやされる若き俊英だ。李はラーメンで麺太に闘いを挑むことを宣言すると同時に、ふたりの意外な因縁を語り始めた……。男たちの誇りを懸け、とんこつラーメン対決が始まる!!

ばりごく麺(3)

ラーメンとはささいにして最高に美味なるもの!! 麺太が突然、朗馬を函館に連れ出した。それは、東京以外のラーメンの歴史や味も学ばせようという麺太の親心によるものだった。函館の塩ラーメンに感動する朗馬。だが予定の日程を終え、東京に帰ろうとした時に事件は起こった…。北の港町・函館を舞台に、ラーメンにとりつかれた男たちが暗躍する!!

ばりごく麺(4)

全てラーメンで解決ってのはどうだ…!! 「この土地を売ってほしい」来来軒の建つ土地を欲しがって、執拗に交渉を仕掛けてくる男。だが、店主の卓造はそのたびに断りを入れ、拒否の姿勢を示し続けた。するとそんな折、当の卓造が何者かに襲われてケガを負った。これが意味するところはなんなのか。一方、来来軒の危機に直面して麺太は意外な提案を口にした…。ラーメンとともに生きる、男たちの不器用で真摯な生き様を見よ!!

ばりごく麺

謎仕立て痛快風味ラーメン

ばりごく麺 能條純一
名無し

コミックスの表紙の題名と絵を見たときはテッキリ、 「全開ばりばり喧嘩上等極道シェフ・ラーメン漫画」 かと思ったが、全然違った。 主人公は初登場から食い逃げをするので、 全然とまで違ってはいなかったかもしれないが(笑) 多分、題名は博多とんこつラーメン店などでいう バリカタ麺(超堅め麺)を基に作った言葉なのだろう。 しかしそもそも、あの表紙の絵では 私みたいにバリバリ上等とか極道とかを想像するのも当然。 誤解をさせた能條先生が悪い(笑)。 しかし「ばりごく麺」の面白さも、 この能條先生の独特の画風ならばこそだった。 主人公・麺太の正体やラーメンの味や調理法など 様々な謎が提示され、適宜解明される形で話は進む。 クールで謎めいた表情や佇まいを感じさせるシーンだったり、 邪気のない痛快な行動や笑顔を見せるシーンだったり。 それらを交互に見せながら。 それらでラーメン・グルメを上手く描いているというか、 ラーメンで謎と痛快を上手く描いている。 例えば第二巻に登場する勝負相手は 広東料理の名人で今は亡き祖父と、 心で会話したり姿を思い浮かべたりするが、 「お前は料理人じゃないだろ呪術師だろ?」 とでも言いたくなるような不気味なシーンを見せる。 一方で麺太は青空高く無邪気に野球ボールを投げ上げ、 俺の秘技は天より高い、と明るいが意味不明なことを語る。 その対比というか振幅と組み合わせが絶妙。 勝負の決着も独特で爽快というか痛快。 呪術師と無邪気の対決という、下手をしたら味が バラバラに散らかってしまいそうな組み合わせすら 能條先生の画力と話の進め方で、うまく仕上がっている。 謎を散りばめられながら、痛快な味が口に残る、 「超極上麺」というべき漫画。