あらすじ

篠崎理事長が細工した車で大事故を起こし、華虹は下半身麻痺となり、性的不能者になってしまう。そして篠崎は破門された華栄を妊娠させ、その子を華虹の子供だと偽り、華虹の母に告げる。それを知った母は、曙流の後継者として認知するため、業子が妊娠したと発表。家元の血を絶やさないための虚しい儀式に業子は懸命に耐えるのだが…。
悪女聖書(1)

花嫁が三三九度の盃を飲む直前、その盃の中に天井から滴り落ちる血が…。それは2階で首を吊った、若い巫女の下腹部から流れ落ちた血であった。その後、巫女は赤ん坊を産みおとした。縁談が持ち上がったために捨てられた彼女は、祝言が挙げられる部屋の2階で自殺したのだった。業を背負って生まれてきた子は業子(なりこ)と名付けられ、やがて母に似た美しい少女へと成長し…。

悪女聖書(2)

首吊り自殺した巫女から生まれた根津業子は、寺尾貴志との苦い初恋や暗い少女時代を過ごした故郷を捨て、自分自身の居場所を見つけるために上京。それは悪女の誕生であった。やがて、入社した北斗電機で総務部長の深沢が業子に興味を持ち、イベントコンパニオンに抜擢される。そして業子を自分のモノにしようと深沢の魔の手が…。

悪女聖書(3)

深沢総務部長の弱みを握り、北斗電機本社の社員となった業子は受付嬢に。そして、北斗のラグビー部の花形バックス・槙原圭介に届け物を渡した時、いきなり彼にキスをされ、怒る業子だが、同時に恋の予感に震える。ハンサムで鋼鉄のような肉体と自信にみなぎる圭介に魅かれ始める業子だが、彼を慕う島田専務の娘・麗子が現れ…。

悪女聖書(4)

故郷の苦い思い出であり、初恋であり、そして初めての男だった寺尾貴志と再会し、ムリヤリ抱かれる業子。貴志は業子と圭介の仲を知り、業子への愛しさと嫉妬、そして仕事上のライバルである圭介との闘いを決意する。一方、島田専務の娘・麗子の誕生パーティーを断り、業子と一緒に過ごす圭介。そんな時、圭介の名をかたり、何者かが麗子を拉致する!!

悪女聖書(5)

華道界に君臨する曙流家元、曙王国のプリンス・曙華虹。彼の血と己の血を混ぜ合わせれば忌まわしい宿命から解き放たれると、華虹に近づく業子。彼女は、まず曙流の陰の天皇と言われる理事長の篠崎弦一郎を誘惑し、虜にする。だが華虹には、いけ花の腕と肉体を捧げる内弟子の華栄という女性がいた。業子は家元夫人の座を狙い牙を研ぐが…。

悪女聖書(6)

業子の企みどおり、華虹のお見合いは破談となり、篠崎理事長の子供を妊娠したと偽る業子。篠崎を味方にし、華虹との結婚を現実にするために戸籍まで変えた業子は、華虹の婚約者として認められ、野望は叶えられたかに思えた。だが、婚約発表の業子の写真を見た、妹の恵は疑問を抱く…。

悪女聖書(7)

曙流家元夫人となり、富と名声を手に入れた業子。だが、内弟子の華栄の行動から、業子が妊娠していないことを知った理事長の篠崎は、自分が業子に利用されていたことを知り、復讐を誓う。篠崎は曙流を破門された華栄を仲間に引き込み、二人の間に出来た子供を曙流の後継者にしようと企む。業子を憎む華栄だが、一方で華虹への愛を忘れることができず…。

悪女聖書(8)

篠崎理事長が細工した車で大事故を起こし、華虹は下半身麻痺となり、性的不能者になってしまう。そして篠崎は破門された華栄を妊娠させ、その子を華虹の子供だと偽り、華虹の母に告げる。それを知った母は、曙流の後継者として認知するため、業子が妊娠したと発表。家元の血を絶やさないための虚しい儀式に業子は懸命に耐えるのだが…。

悪女聖書(9)

意識を取り戻した曙流家元で業子の夫・華虹。一方、流産しそうになった華栄は、業子が腹を踏みつけ蹴ったと言い張る。そして突然、下半身から大量の血を流して苦しみだす華栄。篠崎理事長や華栄の言葉を信じた華虹の母親は、業子を魔女呼ばわりし、離縁すると言い出す。業子、篠崎、そして業子の初恋の相手・貴志など、それぞれの思惑が入り乱れ…。

悪女聖書(10)

生け花の世界に君臨する曙流本家のドロドロした争いの真っ只中にいる業子は、初恋の相手であった貴志の部屋に、曙流の理事長・篠崎と華栄の悪企みを書いた手紙を落としてしまう。曙流の内幕を書いた証文を手に入れた貴志は、業子を痛めつけることができる快感に胸が高鳴る。一方、曙流本家に戻るきっかけを探る業子は…。

悪女聖書(11)

業子と怨念という見えない鎖でつながっている曙流理事長の篠崎、破門された内弟子・華栄、業子の初恋の相手・貴志、そして業子の妹・恵。彼らは新しい、生け花の流派で旗揚げを決める。一方、曙流四十六代家元・華虹は、伝統に支えられた、生け花芸術の底の深さを見せようと、人目を忍び妖異の館へと出かけるが…。

悪女聖書(12)

幻心道という俗世を離れた楽土の館に連れ込まれた業子は、夫・華虹がいる部屋とは別の部屋で、仮面をつけた男を華虹と思い、激しく抱かれる。彼女の激しさに刺激を受けた華虹は、導師の娘・妙を抱いてしまう…。業子が妊娠したとの知らせを受けた華虹と母親は、再び楽土の館を訪れるが… 妊娠したのは妙だった!!

悪女聖書(13)

生まれてきたこと自体が罪だと言われ、業を背負って生きてきた業子。フランス・パリで新生活を送っていた業子の部屋に、ある日、箱に入った1本の真紅のバラが送られてきた。それはアニタというアパートの先住者に、世界的大富豪ガストン・マーテル伯爵から届けられたもの。だが、そのバラにはなんと毒が…!?

悪女聖書(14)

大富豪ガストン伯爵との豪奢な暮らしに満足し、罪と快楽に溺れていく業子。そして、ガストンに捨てられ復讐に燃えるアニタを、ガストンと共謀して車ごと湖に沈める。だが、死んだはずのアニタと思われる人物から恐ろしい仕打ちを受けた業子は、ガストンから逃れ、彼の従兄弟ピエールのもとへ…。

悪女聖書(15)

業子に大火傷を負わせたと思い込んだガストンから大金を貢がせるため、医師のベケットと組んで整形手術サギを仕掛けた業子。ガストンから大金を巻き上げることに成功した業子は、彼の所有するマーテル香水会社の女社長へと昇りつめる。だが、社長室で大金を数え、満足する業子にガストンが迫る。業子は逃げきることができるのか!?

悪女聖書(16)

ガストン伯爵との結婚を承諾した業子に、マーテル一族の最長老カテリーナ・マーテルは、一族に迎えるかわりに、マーテル家を裏切った時には命を絶つと脅す。そして、ガストンと業子の結婚式が始まるが、業子たちの企みを知ったガストンの従兄弟ピエールが現れ…。

悪女聖書(17)

日本に帰って来た業子は、パリでの協力者・火野の頼みで、彼の妹・百合子にエメラルドを届ける。しかし、百合子は謎の男たちに凌辱され、そのビデオを見た婚約者の勢田に捨てられてしまう。黒幕は、駒谷と料亭・満玉の仲居・夏世。夏世は自分の店を持つという野望を抱いていた。百合子たちの復讐のため、業子は満玉の仲居になるが…。

悪女聖書(18)

パリでの業子の協力者・火野は、3年前、雨蝶という小料理の若旦那で、板前修業中だった。火野には恋仲の夏世がいたが、その夏世にだまされ、雨蝶の店の権利証を奪われた過去が。そして、今度は火野の妹・百合子が駒谷や夏世により、男たちに凌辱され、気がふれてしまった。事実を知った業子は、駒谷や夏世に近づくが、逆に彼らの毒牙が…。

悪女聖書(19)

料亭・満玉の仲居・夏世を罠にはめ、現金1千万円とエメラルドを取り戻した業子。だが、百合子の店・雨蝶を買い戻すには金が足りない…。業子は黒幕の駒谷と夏世を完膚なきまでに叩き潰すため、次の行動へと。そして、仲居として勤める満玉の女将に、客のツケを回収する仕事をやらせてほしいと頼む。業子の企みとは…!?

悪女聖書(20)

業子は再会した青年代議士・筒井利章との一夜に心ときめく。筒井と男と女の仲になった業子は恋に流される予感に震えるが、彼は既婚者。一方、夏世は大きな利権には必ず絡んでいるという白鴎商事の社長室長の守田から、業子の男関係を調べるよう依頼される。その業子は、彼女にふられたと勘違いする人気歌舞伎役者・浪岡の舞台へ…。

悪女聖書(21)

人気歌舞伎役者の浪岡藤吾に無理矢理犯された業子。業子の男関係を探る夏世は、青年代議士の筒井、歌舞伎役者の浪岡と二人の男の存在をつかむ。そして夏世は筒井を介抱する業子との写真を撮り、白鴎商事の社長室長の守田に渡す。その写真をネタに筒井を脅す守田。この写真が世に出れば筒井の政治家としての立場は無くなるが…。

悪女聖書(22)

業子と筒井代議士のスキャンダル写真が世に知れると、政治家としての筒井は終わりと脅し、業子を抱く老獪な宮脇代議士。筒井の味方のはずの宮脇は業子に夢中になり、自分だけの女にしたいと思う。一方、偶然に筒井が妻と思われる女性と仲良くしているところを見た業子は、嫉妬を感じる。だがその妻こそ、業子を憎む妹の恵だった!!

悪女聖書(23)

業の申し子・業子を陥れた代議士の宮脇に対し、怒りの炎を燃やす業子は、まず手始めに仲居の夏世に復讐し、宮脇を利用して駒谷から小料理・雨蝶の権利証を取り戻す。そして、業子とのスキャンダル写真で、政治家として窮地に追い込まれた青年代議士の筒井を救うため、業子は雨蝶という店を復讐の舞台にしようと画策する…。

悪女聖書(24)

駒谷と夏世、そして宮脇の秘書・殿山を己の肉体を武器に利用し、したたかで老獪な代議士の宮脇を仕留めるため、二重・三重の罠を仕掛ける業子。その業子の行動に疑問を抱いた夏世は業子の後をつけ、小料理屋・雨蝶の娘・百合子の存在を知る。そのことを駒谷に告げ、全てが業子の企みで、自分たちが利用されていると知り、業子に対し…。

悪女聖書(25)

毒には毒を、悪には悪を。持って生まれた熱い血が悪党どもを許せない業子。その業子が女将となった小料理店・雨蝶が、華やかな開店日を迎える。その晩、駒谷や代議士の宮脇へ対し、大いなる復讐の舞台を整えるため、あえて宮脇を迎えた業子は、肉体を捧げ最後の牙を研ぐが…。

悪女聖書(26)

卑劣な手段を使い、業子と青年代議士・筒井との仲を裂いた宮脇を、殺人容疑の罪で追い込む業子。筒井に助けを求めた宮脇は、策略をもって業子と筒井を陥れたことを白状する。だが、筒井は宮脇を許さず、突き放す。そして、真実を知った筒井は業子への愛が再び燃え上がり、彼女が女将となった小料理店・雨蝶を訪れるが…。

悪女聖書(27)

誤解が解け、愛を確認し合う業子と筒井。だが、筒井の妻で、業子を厄病神と憎み続ける妹の恵が、二人の仲に気付いてしまう。業子は雨蝶の女将の座を百合子に譲り、店を去るが、直後に恵が雨蝶へと。筒井を愛し、業子を憎む恵は、業子に復讐することを決意し、疫病研究所から毒菌を盗み出すが…。愛しい男を巡り、姉妹の最後の対決が幕を上げる!!