お葬式の後に見つけた亡くなった息子のペンフレンドからの手紙。母親は誠を過去の事にしなくない一心で彼女に嘘の返事を返してしまった。そんな奇妙な関係で始まってしまった文通だったが、その相手“高野美鈴”にも嘘があった。彼女は耳が不自由なのだ。劣等感を持つ彼女にとって文字でのやり取りが心の休める場所。ところが、それではいけない、変わらないとと決心した美鈴は誠に会いたいと返事を出すのだが…。

父を知らずに育つも、元気いっぱいの15歳の菜緒。そんな娘の笑顔の写真をある人に送り続ける母。菜緒は公園で出会ったお金持ちそうなおばーちゃんと仲良くなる。ところがある炎天下の日、菜緒がそのおばーちゃんに傘をあげた事から菜緒とおばーちゃんとお母さんの関係が動き出す。過去を背負って生きる人たちのそれぞれの愛を綴った作品集。

突然、天秤に掛けられた２人の母の愛。絢子に迫る選択。産みの母と育ての母。どちらを選ぶ？　どちらが大切？　幸せを与えてくれる愛とそれを奪う愛。絢子の人生最大の選択はあまりにも厳しくて…。

人々が幸せを求めてやってくるマダム真梨子ブライダルサロン。人の良いマダムと本当は人の良い光善寺さんが幸せをお手伝いします。