あらすじ

美術系の短大を卒業し、大手商社のインテリアショールームで働く23歳のOL・桂木夏生。彼女の考える理想の女性の生き方とは、週3回の契約社員で主婦でもあるインテリア・コーディネーター、加瀬邦子のような生き方であった。しかし、設計事務所の所長で、設計技師の桐村崇二と不倫関係にある夏生は、そんな生き方とは程遠く、実りのない愛に疲れていた。ある日、桐村の声を聞きたいと電話した夏生だが、出たのは彼の妻で…。
花びらの塔 1巻

美術系の短大を卒業し、大手商社のインテリアショールームで働く23歳のOL・桂木夏生。彼女の考える理想の女性の生き方とは、週3回の契約社員で主婦でもあるインテリア・コーディネーター、加瀬邦子のような生き方であった。しかし、設計事務所の所長で、設計技師の桐村崇二と不倫関係にある夏生は、そんな生き方とは程遠く、実りのない愛に疲れていた。ある日、桐村の声を聞きたいと電話した夏生だが、出たのは彼の妻で…。

花びらの塔 2巻

夏生と桐村の関係を知った妻・伸子が自殺を図り、未遂には終わったものの、会社の上司や両親にまで不倫関係を知られてしまった夏生。伸子の姉の圧力により担当する仕事から外され、会社を辞める決心をした夏生は、一人暮らしを始める。だが、荷解きを手伝いに来ていた母が、荷物からふたつの泥人形を見つけ…。以前、この椿の印がある泥人形を見た両親の様子がおかしかったのを思い出した夏生は、母に人形のことを聞くが…?

花びらの塔 3巻

古い両親の写真を見ていた夏生は、若き日の母親の写真が、ある期間だけないことに気づく。泥人形のことといい、母の過去に疑問を抱き始める夏生だが…。そんな時、高校時代に憧れの存在だった御子柴恭介が、新しくオープンする雑貨屋の仕事を紹介してくれる。だが、オープン前日、店に飾るはずだった泥人形が突然消えてしまう。その影には、泥人形の秘密を探る夏生に鋭い視線を浴びせる女性の存在があった…。

花びらの塔 4巻

小田原で夏生の母が倒れ、救急車で運ばれた。夏生は母の過去を、そして泥人形の秘密を突きとめるため、山里の鬼無里を訪ねる。そこで彼女が辿り着いたのは、18年前、この村で起こった愛憎劇の中心となった若き日の両親の姿だった。泥人形に秘められた過去とは一体何なのか…?夏生を中心に絡み合う人間模様は、より一層複雑になっていく…。

花びらの塔 5巻

夏生が愛する御子柴の子を身籠っているという冬絵から、夏生の母は殺人者だと告げられ、ショックを受ける夏生。どうしようもない愛と憎しみにより、深く絡み合い、もつれてしまった糸が徐々に紐解けていく。それは一人の男・御子柴を奪い合う夏生と冬絵の愛の行方にも影を落とす。全てが明らかになった時、夏生は…。人の愛憎が織り成すミステリー・ラブロマンス、いよいよ完結。