あらすじ同級生のミヨちゃんに花火を爆発させて楽しんでいたタロが誘拐された!!なんと犯人はとなり町の「いいことしよう会」の秘密工作員で、タロをいい子にして、ワルワルワールドからワルをなくそうと画策していたのだ。帰ったら「ただいま帰りました」、一万円を拾ったら交番へ、工作員のスパルタ教育でどんどん礼儀正しくなるタロ。生まれ変わったタロを見た家族は悪の味方・ワルワル仮面を呼ぶのだが…!?新キャラクター・ワルワル仮面が登場!全17編収録!
時代とともに、ウケる”笑い”の質は変化していきます。漫才などもオシャレに笑うことが受けたかと思えば、捨て身のギャグが評判になったり。当然、漫画の世界でも手を変え品を変えさまざまなギャグが考案されてきた訳です。しかしながら、果たして大衆に受けたのか、はなはだ疑問なのが、ギャグの帝王・赤塚不二夫の異色中の異色作であるこのタイトルです。主人公は小学生のタロ。彼は悪人だらけ(というか悪人しかいない)町でずる賢く生きているのですが、内容はもう、ヒドイのひと言。家族の愛情などないに等しく、おやつは愛犬の足だし、学校では万引きのやり方を教え、警官(目玉のおまわりさん)は自分の息子を誘拐させて点数を稼ごうとする。八百屋の親父も突如として包丁を振り回し、医者はすべからく藪医者と、お子様には到底見せられない代物。暗黒面が全開です。不快でないのが唯一の救いでしょうか。赤塚絵だから許されるのであり、”笑えないギャグ”というのは言いえて妙。普通のギャグに飽きた方にオススメ、してもいいのかなぁ。