あらすじ天下分け目の関ヶ原の戦いで西軍につき敗れた弁蔵は、落人(おちうど)として追われる身となりながら、命からがら美作国英田郡(みまさかのくにあいだごおり)宮本村へと帰ってきた。弁蔵を幾度もの死の淵から救ったのは、愛しいお妙に生きて会う、という強い意志だった。しかし、お妙は同じ村の出身で、かつて英田郡の若者200人の大将の座を争った和田新一郎の妻としてまさに祝言を上げようとしていた。2人の祝言の場に乗り込んだ弁蔵は、すべてを失った虚しさと怒りに我を忘れ、その場を血の海に変えてしまう。