あらすじ季節は夏へ。尊敬するソクラテス先生こと空さんと過ごす夏休みはプラトンにとって新たな発見の連続です。幸せのクローバー探しに七夕、プールにお盆…アリストテレスならぬ上級生のありすさんも加わって、極彩色の大きな世界の中で素敵な夏が始まりました。小学1年生の空さんとギリシャリクガメのプラトンが、貴方の心に小さな“てちゅがく”で笑顔を灯す物語…第2巻をお届けします。
亀のプラトンは主人と引っ越したギリシャで、師たるソクラテスと出会う。主人を神さまと呼ぶソクラテス先生と、日々を共にしながら交わす対話は、プラトンを哲学の深淵へと誘うのでした……。 ☆☆☆☆☆ という感じのプラトン(亀)のモノローグで進む本作。とにかく驚く程の「鮮やかさ」に満ちている。 ソクラテス先生と呼ばれるのは、小1の少女・空さん。彼女の発想には、軽やかな飛躍と本質的な物の捉え方がある一方で、常に人を肯定し人の背を押す優しさがある。触れた瞬間、迷える人の目の前がパッと開ける様な、鮮やかな言葉。 その鮮やかさは、都会で負けて帰郷して来た主人、田舎から飛び出したい女子高生といった、こんがらがった人達を救っていく。彼らの行く先のエピソードも、日々を迷走する私達の救いとなる物語だ。 空さんと級友達のコロコロしたフォルムと、(日本の)田園風景の鮮やかさが相まって、そこは神の庭なのか?空さん達は天使なのか?と思う程の、愛らしくも神々しいイラストレーションが展開され、癒される。宗教画の天使図の中で、プラトンと一緒に空さんの「てちゅがく」に何度も驚嘆する「しんはっけん」に満ちた書だ。