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まっ青な海、どこまでも続く地平線、陽光にうねる豊かな稲穂…。昭和20年8月15日、敗戦の日、関東平野の片隅、千葉県匝瑳郡の田園地帯で少年・金太の青春がはじまった。上村一夫が、自らの半生をモデルに描く感動の自伝的戦後史。
疎開先の関東平野の片隅で、戦後のひとときを小説家のおじいちゃんと暮らす少年・金太。大の仲良し銀子との友情、二人だけの秘密、あかぎれとオチンチン、怪人黒マント、夜の闇にかいま見る大人の世界…。金太が性に目覚めはじめた頃、椿咲く村に、再び春がやって来た。小学校の入学式も、もうすぐだ。
唯一の肉親だった祖父が亡くなって、金太は緊縛画家のおじさんに引き取られた。東京での新しい生活と、金太の思春期が始まった。中学で同じクラスの山根淳子は、妙にませてて気の強い美女。その淳子の気を引こうと、金太はあれこれ背伸びをするのだが…。昭和29年、街頭テレビでにぎわう盛り場でついに金太は童貞喪失。
銀子が東京にやってきた。持ち前の才能でゲイ・バーに勤め出した銀子。念願かなってプロのイラストレーターとなったものの、まだ、何をどう描いていいのかわからない金太。迷いとあせり、そして将来への不安――。恋人・今日子との決別、幼なじみ・銀子との別れ。独りぼっちで自らの道を歩み始める金太の眼に遠く幼い日の風景が涙ににじむ。感動の終章!