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あらすじ

国民クイズ体制の壊滅を目論む反対勢力「反国民クイズ統一戦線本格派」は、K井K一の暗殺計画を実行に移すが失敗する。元国民クイズのB級不合格者であるK井K一には、離婚した妻と娘がいた。面会に来た娘の麻里子に会うため、K井K一は国民クイズ省から脱走する。反対勢力は、麻里子を利用してK井K一に協力を打診するが…!?物語は驚愕のクライマックスへ!!
国民クイズ(上)
日本国憲法第12章国民クイズ(国民クイズの地位)第104条国民クイズは国権の最高機関であり、その決定は国権の最高意思、最高法規として、行政、立法、司法、その他あらゆるものに絶対、無制限に優先する。本憲法もその例外ではない――。クイズに勝ち抜けばどんな願いもかなう!戦慄の国家意思決定システムが始まった!!
国民クイズ(下)
国民クイズ体制の壊滅を目論む反対勢力「反国民クイズ統一戦線本格派」は、K井K一の暗殺計画を実行に移すが失敗する。元国民クイズのB級不合格者であるK井K一には、離婚した妻と娘がいた。面会に来た娘の麻里子に会うため、K井K一は国民クイズ省から脱走する。反対勢力は、麻里子を利用してK井K一に協力を打診するが…!?物語は驚愕のクライマックスへ!!
乱漫

乱漫

こんなマンガ、みたことないっ! 孤高の天才漫画家・加藤伸吉――その圧倒的画才と、乱れ翔ぶ想像力がつまった極上漫画集。奇跡のショートショート35編+幻の短編「愛読者」&「ワイルドさん」を収録!
愛蔵版 国民クイズ

愛蔵版 国民クイズ

クイズが国を決定する!? 伝説の予見的ディストピア漫画『国民クイズ』が大画面復刊! 『AKIRA』サイズのB5判で登場! 『この番組は 「民主主義はもういらない あなたのための全体主義」 日本政府国民クイズ省がお送りいたします』 すでに欲望の奴隷と化した我々の、明日の話だ ―――上出遼平(TVプロデューサー、作家) K井にすべて壊して欲しいと思っている自分がいます ―――大森時生(テレビ東京『SIX HACK』プロデューサー) ※本作は、2001年に発売された復刻版『国民クイズ』(上下巻)の判型を拡大、新装のうえ愛蔵版として刊行するものです。※電子書籍版につきまして 愛蔵版 国民クイズ 上を底本として電子書籍化しました。
バカとゴッホ

バカとゴッホ

晴れ舞台である高校最後の文化祭を目前にして、突然メンバー2人が脱退した学生バンド「ムーズムズ」。残された堺(さかい)と正二(しょうじ)は、独学で服飾を学ぶクラスメイトの女の子・ゴッホをひょんなことからスタイリストとして迎え、夢に向かって歩みはじめるが……!?――「バカ」なりに一本筋が通った男の本気の恋と本気の青春。
OBRIGADO! オブリガード!

OBRIGADO! オブリガード!

ぶらりざんばら町。ゲラ子に会った。そんな日はいい事があるってママが言っていた。ホントかな…。「ぶらりざんばら村」。王仁一族は謎の流行病いに男だけを根絶やしにされてしまい、年頃の姫の相手をニンゲンから選び出そうとするが…。「スキ姫」。「国民クイズ」「バカとゴッホ」の異才が放つ独自の世界。加藤伸吉初短編集!!
永久律動

永久律動

「国民クイズ」「バカとゴッホ」「惑星スタコラ」など、歴史的名・怪作を生んだ加藤伸吉がビーム初登場!(月刊コミックビーム2018年2月号)
試し読み
国民クイズ
マンガはどこまで表現できるのだろう
国民クイズ 加藤伸吉 杉元伶一
名無し
「マンガはどこまで表現できるのだろう」と考える事があります。“音”は聞こえなくても、音楽漫画の名作は数多くありますし、“味”がわからなくてもグルメマンガは星の数ほどあります。名作は時に、現実に存在する以上の“音”や“味”を表現することがあるように思います。『国民クイズ』が描き出したのは、現実以上の“熱狂”でした。  『国民クイズ』が描くのは、“国民クイズ”が全てを支配する日本です。“国民クイズ”とはテレビでよく見るクイズ番組そのものです。ただ、賞品のレベルがケタ違い。そこで合格者となれればどのような望みも叶えられます。ある者は、いなくなった飼い犬を探してもらい、またある者は3億円の借金の肩代わりを願います。故郷の温泉街を復興させるためにエッフェル塔を移動させた合格者もいます。合格者の希望は絶対・無制限に優先されると憲法にも規定されているのです。民主主義が達成できなかった、一国民の願いをダイレクトに迅速に達成されるのが、「国民クイズ体制国家」となった日本なのです。  「国民クイズ」にはもちろんリスクもあります。予選をくぐり抜け、本選の6名に選ばれたにもかかわらず不合格となってしまうと、「戦犯」として強制収容所で働くことになってしまうのです。視聴者は、参加者の天国と地獄を楽しみに眺め、やがて狂乱の舞台に参加しようと変わっていくのです。  これら餓鬼のような参加者をコントロールし、テレビの向こう側にいる人々の欲望に火をつけるのが、司会者・K井K一。彼自身、かつて「国民クイズ」に参加しながらも本選で不合格になってしまった「戦犯」です。奉仕労働として「国民クイズ」の司会を行います。このK井の司会がとてつもないのです。時に静かに、時に荒々しく、回答者を慰め、挑発し、弄ることで、番組を盛り上げていきます。  彼は国民にとってはトリックスターとして、「国民クイズ」の象徴として機能しているのです。  しかしK井にとって「国民クイズ」に対する思いは複雑です。強制収容所に暮らし、妻子と離れて暮らすことになった現状に怒りもあります。双子の処女と3pしたいという欲望と恵まれない子のために養護施設を作りたいという願いを同列に扱う「国民クイズ」に疑問もあります。しかし、なにより司会はK井にとっての天職でもあるのです。  最終局面、K井は完全に「司会」となり、政府やテロリストといった様々な人間思惑を超えたところまで到達します。国民の欲望は限界以上に引き出され、大衆はかつてない「熱狂」に包まれるのです。  その行き着く先はK井自身にもわからないのです。己の欲望だけを求める国民が、熱狂のもとで一丸となって暴走する…このライブ感は『国民クイズ』でしか味わえないのです。