あらすじ亜米利加寮との戦いで正面から攻撃を仕掛けようとする虎(とら)達だったが、亜米利加寮からの大砲攻撃に身動きが取れなくなってしまう。そこへ亜米利加寮のボスに撃たれて重体のはずの国士玉三郎(こくし・たまさぶろう)が現れて、砲撃の中、刀ひとつで亜米利加寮へ突入していく。玉三郎を連れ戻そうとする虎は、学帽政(がくぼうまさ)に制止されて……!?
私にとって、この作品を忘れられないものとしているのは、学帽政の男っぷりの良さでもなく、虎の破天荒な生きざまでもありません。漫画史上最悪の女性キャラクター、枢斬暗屯子の存在ゆえです。これ「すうざんあんとんこ」、と読みまして、連載当時に人気だったアメリカの歌手をもじった名前なのですが…。中身は女傑というか怪女というか、とんでもない猛女なんですね。ぱっと見、セーラー服を着ているのでかろうじて女性だとわかりますが(当時は今みたいに女装タレントはいなかったし)、レスラーのような風貌はともかく、ヒゲが生えているって…。そして用をたすのは男子便所、どうなってるのかわかりませんが立ちションしてます。しかも下着はふんどし。それでもってキレると「犯したるっ!」と叫び荒れ狂うってもう何がなんやら。女性蔑視も過剰暴力もお構いなし、という無茶苦茶っぷりが、いつまでも頭にこびりついたままなのです。強烈なキャラは他にもいますけど、彼女を超える衝撃はお目にかかったことありません。ホント、罪な女ですよ。