あらすじ網走極等少年院に入って菊水寮の寮長になった虎(とら)は、風魔(ふうま)の仇討ちをするために白梅寮へ乗り込んでいく。そこの寮長が東大卒のインテリだと知り、悲しい過去を思い出して落ち込む虎だったが、インテリが制作したロボット・極道28号との喧嘩に勝利する。一方、学帽政(がくぼうまさ)の宿敵・国士玉三郎(こくし・たまさぶろう)が、網走極等少年院に入ってきて……!?
私にとって、この作品を忘れられないものとしているのは、学帽政の男っぷりの良さでもなく、虎の破天荒な生きざまでもありません。漫画史上最悪の女性キャラクター、枢斬暗屯子の存在ゆえです。これ「すうざんあんとんこ」、と読みまして、連載当時に人気だったアメリカの歌手をもじった名前なのですが…。中身は女傑というか怪女というか、とんでもない猛女なんですね。ぱっと見、セーラー服を着ているのでかろうじて女性だとわかりますが(当時は今みたいに女装タレントはいなかったし)、レスラーのような風貌はともかく、ヒゲが生えているって…。そして用をたすのは男子便所、どうなってるのかわかりませんが立ちションしてます。しかも下着はふんどし。それでもってキレると「犯したるっ!」と叫び荒れ狂うってもう何がなんやら。女性蔑視も過剰暴力もお構いなし、という無茶苦茶っぷりが、いつまでも頭にこびりついたままなのです。強烈なキャラは他にもいますけど、彼女を超える衝撃はお目にかかったことありません。ホント、罪な女ですよ。