あらすじ

全国大会東京都予選の4回戦、シード校の聖陵高を相手に4点差をつけられてしまった墨谷高校野球部。そして最終回、疲労を見せるエース・岩本(いわもと)からヒットを連発させた墨高ナインは、交代したリリーフの木戸(きど)から労せず1点を得る。しかし再びマウンドに立った岩本の好投で、1点を追加するもツーアウトにまで追いつめられた墨高だったが……!?
プレイボール 1巻

中学野球の名作「キャプテン」の続編にあたる、初代キャプテン・谷口タカオ(たにぐち・たかお)の高校進学後の活躍を描いた熱血スポーツコミック。墨谷高校に入学した谷口は、中学時代に全国大会で優勝を果たした試合での負傷が原因でボールが投げられなくなり、墨高野球部の練習をただ眺める日々を送っていた。そんなある日、サッカー部キャプテン・相木(あいき)に勧誘された谷口は、サッカー部へと入部するのだが……!?

プレイボール 2巻

ボールが投げられない弱点をバウンド送球でカバーした谷口タカオ(たにぐち・たかお)の奮闘によって、2回戦に進出した墨谷高校野球部は城東高と対戦することに。そこで城東高の先発として投球した松下(まつした)は、かつてチームメイトだった谷口の実力を知るあまり、彼との対決で緊張してしまいエース・藤井(ふじい)へと交代する。しかし谷口は、藤井の速球をも打ち飛ばして……!?

プレイボール 3巻

3回戦で野球の名門・東実高と対決した墨谷高校野球部は、二回表で5点もリードされてしまい、予定より早く谷口タカオ(たにぐち・たかお)をマウンドへ送る。そして谷口の繰り出すフォークボールは東実高の猛打線がおさえ込んでいくのだが、墨高ナインも東実高のエース・中尾(なかお)の剛速球に翻弄されてなかなか得点できずにいた。そんな中、フォークボールを投げ続けていた谷口に疲労が出始めて……!?

プレイボール(4)

強敵・東実高に九回表で7点を奪われながらも、なんとか粘って6点差にまで追いついた墨谷高校野球部。そこで疲労困憊ながらも底力を見せる谷口タカオ(たにぐち・たかお)の奮闘をきっかけにして、快打を連発させる墨高ナインはどんどん得点を追加していく。そしてついに東実高と2点差に迫り、二死満塁で3番打者の山口(やまぐち)の打球がセンターへ飛んでいくが……!?

プレイボール(5)

新たに加わった倉橋(くらはし)の提案で、甲子園に出場経験を持つ強豪・川北商業高と練習試合をすることになった墨谷高校野球部。そこで圧倒的な実力差を見せつけられて動揺する墨高ナインは、川北打線の短所を知る倉橋のリードに任せてみるが、どんどん点を奪われてしまう。そして先発投手の中山(なかやま)と倉橋が喧嘩してしまい、指の手術後であまり投げ込んでない谷口タカオ(たにぐち・たかお)が投手に……!?

プレイボール(6)

有望な5人の新入部員が加わって練習に熱が入る墨谷高校野球部。しかし一生懸命すぎてムチャしてしまうナイン達を心配した谷口タカオ(たにぐち・たかお)は、河川敷で皆を休憩をさせてザリガニ取りを楽しむ。そんな時、城東高の野球部マネージャーに練習試合を申し込まれて快諾した谷口は、以前よりも成長した城東高を相手に新入部員達を起用して……!?

プレイボール(7)

全国大会東京都予選の3回戦でシード校の大島高と対戦した墨谷高校野球部は、初回に2点を先取し、谷口タカオ(たにぐち・たかお)の好投で大島打線を0点におさえていく。そして六回裏、谷口は新入部員・松川(まつかわ)とピッチャーを交代し、それを4回戦の準備だと考えた大島ナインは、シード校のプライドを揺さぶられて頭にきてしまい……!?

プレイボール(8)

全国大会東京都予選の4回戦、シード校の聖陵高を相手に4点差をつけられてしまった墨谷高校野球部。そして最終回、疲労を見せるエース・岩本(いわもと)からヒットを連発させた墨高ナインは、交代したリリーフの木戸(きど)から労せず1点を得る。しかし再びマウンドに立った岩本の好投で、1点を追加するもツーアウトにまで追いつめられた墨高だったが……!?

プレイボール(9)

5回戦に勝ち進んだ墨谷高校野球部は、優勝候補である専修館との対戦で圧倒的なパワー差に初回で1点を先取されてしまう。しかしそれ以降は、谷口タカオ(たにぐち・たかお)の好投と守備陣のファインプレーで0点に抑えていくが、八回表に疲れが出始めた谷口が専修館打線につかまり1点を追加される。そこで専修館のエースを打ち崩そうと考える谷口は、東実高の偵察メモからバッターの立ち位置に注目して……!?

プレイボール(10)

夏の大会でベスト8入りを果たした墨谷高校野球部は、三年生部員の送別会で野球部OB会から河川敷の広いグラウンドを週二回一年間使える権利をプレゼントされて歓喜する。その後、三年生部員4人が抜けてからの墨高ナイン新編成を考えていた谷口タカオ(たにぐち・たかお)は、中学時代の後輩・丸井(まるい)が墨高に編入するという連絡を受ける。そして翌日、練習に参加した丸井はひそかに自主練習していた成果を見せて……!?

プレイボール(11)

野球に打ち込むあまり学業に影響が出た墨谷高校野球部は、部長の命令でシーズンオフに勉強会を課せられるが、期末試験で成績をアップさせ、晴れて野球の練習に専念できるようになる。そして春になり、野球部にやってきた新入部員達は、墨谷二中三代目キャプテン・イガラシをはじめとした精鋭揃いで……!?三年生になったキャプテン・谷口タカオ(たにぐち・たかお)と新生墨高野球部はどうなる?熱血野球コミック、感動の完結巻。

プレイボール

キャプテンと同一世界線の物語!

プレイボール ちばあきお
酒チャビン
酒チャビン

月刊少年ジャンプで連載されていたキャプテンと同時期に週刊少年ジャンプで連載されていた作品です。連載開始時期は1年ほどこちらが後です。 元々キャプテンが盛り上がっていた、ちば(あ)先生に週刊少年ジャンプでも、との話があり、アメフトかラグビーマンガの準備をしていたらしいのですが、ルールの把握等に時間がかかり、高校入学後の谷口選手の話を繋ぎで描き始めたところ、ちば(あ)先生の方でも興が乗ったために連載となったようです。 必殺技等がない正統派野球まんがですし、敵味方ともに超人がいない世界観の中で、キャラを立たせるのが非常に難しく、試合展開も普通っぽくなりがちな中で、キャプテン&プレイボールを同時に連載されていたので、読者を飽きさせない工夫を考えるのは相当大変だったと思います。 事実、正直私も両作品とも中盤以降はちょっと飽きましたので・・・ ただやはり谷口キャップのキャラが素晴らしく良いですね。爽やかというか気持ちの良い方です。私も谷口選手のような人を目指さねばなりません。あとは半ちゃんが好きです。自分は全然出る予定もないのに城東にもらったメモを見直して、ベース寄りに立つ攻略法を気づくきっかけを作ったシーン。自分もプレイでは貢献できないけど、なんとかチームの勝利のために、という気持ちが現れている気がしてすごく良いです!! キャプテンの方は、谷口選手は割に序盤で引退&卒業してしまうのですが、こちらは物語の全部にわたって、その谷口選手が活躍するので、谷口ファンの女性にはプレイボールをオススメします。 後半、丸井が編入してきたり、五十嵐が入学してきたりと、だいぶ戦力も整って、これは甲子園を現実的に目指せるぞ、といういいところで終了してしまいます。 ドクターストップだったようで、仕方ないですが、これくらいの余韻を残した終わり方で良かったのかな、という気がします。話のゴールとしては読者にも見えてしまっているので(がんばって甲子園優勝する)、あえて描かないというのも選択肢かなと思いました。 コージィ城倉先生の手による続編があるようですが、正直蛇足かな、と思って読んでおりません。コージィ先生は好きですが、読むつもりも今の所無いです。 余談ですが、丸井の編入後は、それまでセカンを担当していた鈴木と全く見分けがつかず、読むスピードが激落ちしてしまいました。

プレイボール

ちばあきお漫画を動揺させる御馳走という存在

プレイボール ちばあきお
影絵が趣味
影絵が趣味

夏の甲子園の県予選がはじまっているので、性懲りもなく『プレイボール』を読み返している。 語弊を恐れずにいえば、ちばあきお漫画の魅力は味気のなさにあると思う。野球に熱心すぎるあまり、ひたむきすぎるあまり、本気で打ち込むあまりの味気のなさである。「勝利の味をしめる」という言葉があるが、『キャプテン』にしても『プレイボール』にしても、負け試合はもちろんのこと勝ち試合においてもどこか苦い雰囲気が拭えないのである。『キャプテン』のイガラシ時代の夏の決勝戦、西の強豪・和合中との雨の決戦はどうだったか、全国制覇を成し遂げたというのに不思議なまでのあの味気のなさは。 ところが、そんな試合に勝ってまで味気のないちばあきお漫画において、奇妙に味気のある数コマがおよそ一巻に一度ぐらい落とし穴のように潜んでいる。それすなわち御馳走の時間である。 田所先輩の代こそは元々が弛んでいるので、まだ御馳走はみられないが、まさしく田所先輩たちが引退して谷口が次のキャプテンに指名される日から落とし穴のような御馳走がひっそりと潜んでいる。薄汚い部室にテーブルを囲い、それぞれの席には簡易的ながら紙のナプキンが敷かれて、その上に可愛らしくお菓子やフルーツやジュースの瓶が乗っている。野球一筋のこのマンガにおいて、なんと奇妙で戦慄さえ憶えかねない一コマであることだろう、淡々とただひたすら野球に打ち込むばかりのコマの連なりのなかで不意に挿入されるこの紙ナプキンの上の御馳走たちはスリリングとさえいえないか。 この送別会の御馳走を先がけに、新入生の歓迎会ではふたたび囲んだテーブルに紙ナプキンが敷かれて、出前の兄ちゃんが蓋付きのカツ丼を運んでくる。大会の谷の日には田所さんが激励にアイスクリームを紙袋にたくさん詰めてもってくるし、鰻丼かと思いきやカツ丼の上を御馳走してくれるし、熱戦の翌日の休養日には丸井が谷口家を訪ねるさいのお土産として鯛焼きを持参して、しかもそれらは丁寧に紙の上にあけられる。そして極みつけにはOB会の発足パーティー、またしても薄汚い部室にてテーブルを囲み、もはや簡易的な紙ナプキンではなくテーブルクロスが敷かれ、御馳走に加えて瓶ビールまでが用意され、スリリングはさらに加速する。ここで注目したいのはこれらが単なる食事ではなく、それ以上に丁寧に格式張っているということにある。ちばあきお的マンガ世界において、彼ら野球少年たちは基本的には野球という社会のなかに閉じた存在である。その閉じた世界に不意に出現するイロモノめいた別の社会(すなわち御馳走という格式)はあまりに滑稽であり、その場を動揺させずにはいられない。しかも、その御馳走が部活の聖地ともいうべき部室にひろげられたさいには事尚更である。 味気のないちばあきおマンガが不意に彩りをみせるとき、その場は途端にスリリングに動揺しはじめ、物語に緩急と躍動とをもたらしているらしい。