あらすじ

▼第17話/ヤジ将軍 ▼第18話/カマキリ ▼第19話/野良猫 ▼第20話/猫町ツアー ▼第21話/ゴリラの心 ▼第22話/スイカ ▼第23話/バカザル ▼第24話/ウサギ ▼第25話/アメスラン ▼第26話/盗聴 ●登場人物/森野賢人(ゴリラの研究をしているサル学者で新米の区議会議員)、大空美晴(新米のサル学者で賢人の弟子)、ノア(アフリカの森で孤児になったゴリラの赤ん坊。賢人に育てられている)、三角六朗(ホームレスでケントの私設秘書) ●あらすじ/賢人は『千里が森総合開発計画特別委員会』の委員に選ばれた。この計画は首長である区長の肝煎の公共事業計画であり、新入りの議員がいきなり特別委員会の委員になるのは異例のことだ。しかし、賢人はヤジ将軍の役目であった。そこで賢人はある行動に出るのだが…(第17話)。 ▼兜山区長と守の母、民絵は千里が森に出かけた。区長にとって思い出の場所であるこの森で、決してどこで遊んでいるかを言わない守の姿を見かける。そこには賢人も一緒にいた(第18話)。 ●本巻の特徴/守の父である大蔵省事務次官の春山が、守と賢人が仲良くしているのを見て嫉妬。春山はちょっとした仇討ちを企てる。一方、賢人は次回の区議の補欠選挙である試みを考える。 ●その他の登場キャラクター/新聞記者・五島(第17、19~20、25話)、兜山照夫(第17~20、26話)、先島幹夫(第17、19~20、26話)、鷲尾ひかる(第17、26話)、守(第18、21~22、24~26話)、民絵(第18、22、25話)、女子高生・由加里(第18~21、24~25話)、クラブ「グリーンフォレスト」のママ・良子(第18~20、22~23、26話)、猿橋(第21話)、春山(第22~23、25話)
ケントの方舟(1) ―ルーシーの食卓―

▼第0話/ルーシーの食卓 ▼第1話/個体識別 ▼第2話/種子散布 ▼第3話/ひとりゴリラ ▼第4話/人づけ ▼第5話/Creation ▼第6話/求愛 ▼第7話/父性 ●登場人物/森野賢人(フィールドワークを得意とするサル学者。現在は新米の区議会議員) ●あらすじ/森野賢人はアフリカの森をフィールドに、ゴリラの研究をしているサル学者である。ある時、森の中でシルバーバック(ゴリラのボス)の“オセロウ”と間近に対峙し、その偉大さにただ茫然と立ち尽くしてしまった。その経験を綴った賢人の著書を読み感動した大空美晴は、アフリカへの思いを募らせ、賢人の家を訪ねる。だが、彼は無所属候補として白山区の区議会議員選挙に立候補していた(第0話)。 ▼得票率第2位で区議に当選してしまった賢人。彼が選挙ポスターに擦り込んだスローガンは「東京に、ゴリラの森を作ります」である。だがこれは決して単なるイメージコピーではなく、白山区に残された森を本当にゴリラのための森にしようとしていた。実はアフリカで孤児となったゴリラの子供を見つけ、輸出証明書を偽造して日本に連れ帰っていたのだ。これはワシントン条約違反で発覚すれば逮捕されても仕方がない行為。呆れる美晴を尻目に、「さあフィールドワークに出かけよう」と、当選区議の集会へと向かう賢人だが…(第2話)。

ケントの方舟(2) ―アフリカ―

▼第8話/ヤクザル ▼第9話/イモ洗い ▼第10話/快楽 ▼第11話/縄張り ▼第12話/逃亡 ▼第13話/群れの誕生 ▼第14話/進化論 ▼第15話/アフリカ ▼第16話/タンチョウヅル ●登場人物/森野賢人(ゴリラの研究をしているサル学者で新米の区議会議員)、大空美晴(新米のサル学者で賢人の弟子)、ノア(アフリカの森で孤児になったゴリラの赤ん坊。賢人に育てられている)、三角六朗(ホームレスでケントの私設秘書) ●あらすじ/賢人の弟子である新米のサル学者、大空美晴は、ある日、賢人を屋久島へ連れていった。ここは、大学院生時代の賢人が1年半フィールドワークをした場所であった。サル小屋に戻った賢人と美晴は、賢人の昔のフィールドワーク仲間・猿橋と再開する。久しぶりの再開を懐かしみ、酒をかわす3人。だが賢人が育てているノアに話が及び……(第8話)。 ▼猿橋に密かにノアを飼っていること、サル学者なのに区議になって東京にいることの理由を問われた賢人。これに対し賢人は、ノアを東京の森で育てることで、貧困にあえぐアフリカの森に対する日本人の認識も変わるだろうと答えた。そして、学者が森をいじっているうちに森が小さくなり、ゴリラの数が減ってしまうのは学問の敗北だと言う。賢人のこの意見は、サル学者はサルの保護運動をしているわけではないという猿橋と完全に食い違っていた(第9話)。 ●賢人は、猿橋との意見の食い違いで、弟子の大空美晴と別れることになる。東京に戻った賢人は、民自党に入党する。その一方で、賢人の家から外に出たノアが、ほんの偶然からスクープされてしまう。 ●その他の登場キャラクター/猿橋(第8、9、12、13、15話)、女子高生・由加里(第10、13、14話)、鷲尾ひかる(第11~14、16話)、草薙晴彦(第12、14話)、守(第13~15話)、クラブ「グリーンフォレスト」のママ・良子(第13、14、16話)、兜山照夫(第16話)、新聞記者・五島(第15話)

ケントの方舟(3) ―バカザル―

▼第17話/ヤジ将軍 ▼第18話/カマキリ ▼第19話/野良猫 ▼第20話/猫町ツアー ▼第21話/ゴリラの心 ▼第22話/スイカ ▼第23話/バカザル ▼第24話/ウサギ ▼第25話/アメスラン ▼第26話/盗聴 ●登場人物/森野賢人(ゴリラの研究をしているサル学者で新米の区議会議員)、大空美晴(新米のサル学者で賢人の弟子)、ノア(アフリカの森で孤児になったゴリラの赤ん坊。賢人に育てられている)、三角六朗(ホームレスでケントの私設秘書) ●あらすじ/賢人は『千里が森総合開発計画特別委員会』の委員に選ばれた。この計画は首長である区長の肝煎の公共事業計画であり、新入りの議員がいきなり特別委員会の委員になるのは異例のことだ。しかし、賢人はヤジ将軍の役目であった。そこで賢人はある行動に出るのだが…(第17話)。 ▼兜山区長と守の母、民絵は千里が森に出かけた。区長にとって思い出の場所であるこの森で、決してどこで遊んでいるかを言わない守の姿を見かける。そこには賢人も一緒にいた(第18話)。 ●本巻の特徴/守の父である大蔵省事務次官の春山が、守と賢人が仲良くしているのを見て嫉妬。春山はちょっとした仇討ちを企てる。一方、賢人は次回の区議の補欠選挙である試みを考える。 ●その他の登場キャラクター/新聞記者・五島(第17、19~20、25話)、兜山照夫(第17~20、26話)、先島幹夫(第17、19~20、26話)、鷲尾ひかる(第17、26話)、守(第18、21~22、24~26話)、民絵(第18、22、25話)、女子高生・由加里(第18~21、24~25話)、クラブ「グリーンフォレスト」のママ・良子(第18~20、22~23、26話)、猿橋(第21話)、春山(第22~23、25話)

ケントの方舟(4) ―方舟―

▼第27話/討論 ▼第28話/拉致 ▼第29話/法螺吹き ▼第30話/里親 ▼第31話/官僚 ▼第32話/未完成の動物 ▼第33話/NYジャーナル ▼第34話/投票 ▼第35話/開票 ▼最終話/方舟 ●登場人物/森野賢人(ゴリラの研究をしているサル学者で新米の区議会議員)、大空美晴(新米のサル学者で賢人の弟子)、ノア(アフリカの森で孤児になったゴリラの赤ん坊。賢人に育てられている)、三角六朗(ホームレスで賢人の私設秘書) ●あらすじ/賢人は、区議補欠選挙に、私設秘書だった三角を立候補させた。新聞広告、選挙カーも出さず、街を歩いて地道に活動している賢人に、区議会議員の鷲尾は選挙の厳しさを忠告した。そこで、賢人は対立候補である民自党の選挙事務所に行くことを提案するが…(第27話)。 ▼三角の選挙運動にノアを使ったため、マスコミは大騒ぎ。そのため、三角の演説会には予想以上の人が集まった。しかし、美晴や春山はノアを利用した賢人に対し憤慨し、ある行動に出るが…(第28話)。 ●本巻の特徴/NYジャーナルの記事をもとに、日本のマスコミが一変して賢人を叩き始める。これがきっかけになり、三角も賢人がなぜ自分を選挙に出したのか不審に思い、投票を前に姿を消してしまう。 ●その他の登場人物/春山(第27~28、31~最終話)、鷲尾ひかる(第27~28、33~最終話)、守(第27、29、33~最終話)、女子高生・由加里(第27、29、33~最終話)、草薙晴彦(第27、29、33~最終話)、クラブ「グリーンフォレスト」のママ・良子(第27、33~最終話)、兜山照夫(第27~29、33~最終話)、先島幹夫(第27~29、33~最終話)新聞記者・五島(第28、30、33~最終話)、猿橋(第28~29話)、民絵(第28、33話)

ケントの方舟

環境問題への意識が突き抜けている

ケントの方舟 毛利甚八 魚戸おさむ
ひさぴよ
ひさぴよ

オゾンホール問題やダイオキシン問題など、日本において環境問題への意識が最高潮に高まっていた90年代。その最中に連載されていたのがこの「ケントの方舟」です。 私の好きな「家栽の人」毛利甚八&魚戸おさむコンビなので、”良い漫画”として紹介をしたいのけど…いやいやこの漫画、なかなかの過激な思想を持つ漫画でした。 ゴリラの研究をしているサル学者・森野賢人が区議会議員選挙へ打って出て、型破りなやり方で環境保護政策を進めていくというのが基本ストーリーです。 森野の穏やかな表情とは裏腹に、突拍子もない構想を抱いている事が次第に判ってきます。 例えば、ゴリラのために東京都内に森を作り、森の壁で分断しようとする案。 さらにはゴリラと人間をかけあわせて森と人間の融合を図る案など、どう考えてもヤバい思想です。 環境問題に熱心な人ですら同意困難なレベル。 そういった考えを公に発信しているわけではないものの、ふとした時に本音が漏れ出てくるというか。もちろん漫画の中では肯定されています。 おそらく森野の中で優先順位は、自然>ゴリラ>人間なんです。 環境問題が加熱していた時代特有の狂気を感じました。 おもわず「マッド・エコロジスト」という言葉が頭に浮かんだので、ここに書き残しておくことにします。