環境問題への意識が突き抜けている

オゾンホール問題やダイオキシン問題など、日本において環境問題への意識が最高潮に高まっていた90年代。その最中に連載されていたのがこの「ケントの方舟」です。 私の好きな「家栽の人」毛利甚八&魚戸おさむコンビなので、”良い漫画”として紹介をしたいのけど…いやいやこの漫画、なかなかの過激な思想を持つ漫画でした。 ゴリラの研究をしているサル学者・森野賢人が区議会議員選挙へ打って出て、型破りなやり方で環境保護政策を進めていくというのが基本ストーリーです。 森野の穏やかな表情とは裏腹に、突拍子もない構想を抱いている事が次第に判ってきます。 例えば、ゴリラのために東京都内に森を作り、森の壁で分断しようとする案。 さらにはゴリラと人間をかけあわせて森と人間の融合を図る案など、どう考えてもヤバい思想です。 環境問題に熱心な人ですら同意困難なレベル。 そういった考えを公に発信しているわけではないものの、ふとした時に本音が漏れ出てくるというか。もちろん漫画の中では肯定されています。 おそらく森野の中で優先順位は、自然>ゴリラ>人間なんです。 環境問題が加熱していた時代特有の狂気を感じました。 おもわず「マッド・エコロジスト」という言葉が頭に浮かんだので、ここに書き残しておくことにします。

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