あらすじ

友の死…金塊を巡り春子にさらなる危機が! 旧陸軍の隠し金塊を追う者たちに狙われるようになった、大衆演劇の女優・春子。そんな春子の元を訪ねてきた親友・澄子が、春子の父の遺品を持ち去り姿を消した。さらに、澄子が何者かに殺害される事件が起きてしまう。春子は、澄子が父の遺品を盗んだことも、殺されてしまったことも、春子自身が巻き込まれている隠し金塊を巡る陰謀によるものではと思い、自責の念を感じていた。そんなある日、一座の者が暴行され、春子に金塊の手がかりを持って指定の場所に来いという脅迫状が届いた。春子は指示に従うのか…!? そして、澄子は一体誰に、何故殺されたのか。金塊、通称“女神”を巡る争いがますます激化する、大人気ヒストリカルサスペンス第2集!!
女神の標的 1巻

陸軍の隠し金塊に翻弄された女性の運命!! 第二次世界大戦が終わってから8年が経ったある日、大衆演劇で女優として活躍する春子の前に、突然見知らぬ男たちが現れた。彼らは春子が、彼らが探している物の手がかりを握っているはずだと迫るが、春子は身に覚えがない。さらに、男達は彼女の想像を遥かに超える話を語り出す… それによると、軍人だった父は戦死ではなく、旧陸軍の隠し金塊を巡る争いに巻き込まれ、拷問され死んだというのだ。衝撃的な話に動揺する春子だったが、それは彼女が戦後日本の裏で暗躍する、金塊を狙う人々との戦いの始まりだった…! 春子に狙いを定めて襲い来る男達の攻撃から、彼女は生き延びることができるのか!? そして、旧陸軍の隠し金塊は本当にあるのか!? 美しきヒロインが己の運命に葛藤し、戦う、大人気ヒストリカルサスペンス待望の第1集!!

女神の標的 2巻

友の死…金塊を巡り春子にさらなる危機が! 旧陸軍の隠し金塊を追う者たちに狙われるようになった、大衆演劇の女優・春子。そんな春子の元を訪ねてきた親友・澄子が、春子の父の遺品を持ち去り姿を消した。さらに、澄子が何者かに殺害される事件が起きてしまう。春子は、澄子が父の遺品を盗んだことも、殺されてしまったことも、春子自身が巻き込まれている隠し金塊を巡る陰謀によるものではと思い、自責の念を感じていた。そんなある日、一座の者が暴行され、春子に金塊の手がかりを持って指定の場所に来いという脅迫状が届いた。春子は指示に従うのか…!? そして、澄子は一体誰に、何故殺されたのか。金塊、通称“女神”を巡る争いがますます激化する、大人気ヒストリカルサスペンス第2集!!

女神の標的 3巻

金塊の手がかりを狙い敵の魔の手が…! 旧華族で元陸軍少将、現在は大手商社の顧問をしているという財前から、春子が所属する一座に対し、孤児院の子供達に演劇を観せてほしいとの依頼が舞い込んだ。財前が金塊を狙う人間である可能性を感じつつ、危険を承知で春子達は公演を引き受けることにした。公演当日、演劇は大盛況に終わり、手配されたタクシーに乗り帰路へ。何事も起きなかったことに春子が内心安堵しかけた瞬間…同乗した一座の仲間と春子は突然注射を打たれ、意識を失った春子は拉致されてしまった。やはり全ては財前により仕組まれていた罠だった。春子は空き家に運ばれ、そこで財前が雇った薬に精通する男・伴により自白剤を投与されてしまう。春子は伴と財前に聞かれるがまま、父との思い出を話してしまう。それによりある仮説を導き出した財前は、金塊の捜索に乗り出す。それは春子に関係する人々を巻き込む事件へと発展していくことに…!! 金塊を巡る謎と春子自身人生がさらに大きく転換する、大人気ヒストリカルサスペンス最新刊!

女神の標的

戦後の金塊争奪サスペンス #1巻応援

女神の標的 小山ゆう
兎来栄寿
兎来栄寿

『がんばれ元気』、『お〜い!竜馬』、『あずみ』などでお馴染みの、小山ゆうさん最新作。『颯汰の国』を挟んで、『雄飛』と同じ昭和の物語が新たに紡がれています。 本作は1953年の戦後間もない時代が舞台。大衆演劇の花形役を務める主人公の春子が、日本軍の大佐であった父が隠した日本再建のための金塊を巡る争奪戦に巻き込まれていくサスペンスです。 男剣士を凛々しく演じる美しく強い春子は、恩義のある座長のもとで何も知らず暮らしていましたが、ある日を境にその日常が崩れていってしまいます。ただ、戦後という時代もあり、ただやられるばかりではなく暴力に対し時に立ち向かって反撃していく姿もあり痛快です。 鴻鵠の志で金塊を隠した春子の父に対して、本当に存在するのかどうかも解らない「女神」(作中で金塊の隠語と語られる)を巡って、多くの人々が醜悪な争いを起こしていくさまは何とも言えません。 そしてまた、もし金塊が時の総理の下に首尾よく回っていったとしてもそれが正しく使われるかどうかは別の問題として存在するのもまた無常感を覚えさせられます。仮に総理が高潔な志で差配を行おうとしても、さまざまな思惑や柵が絡んだ政界でどこまで理想通りに事を運べるのか。栓なきことと解りながらも、考えてしまいます。 ともあれ、さまざまな勢力が互いに画策し合い息もつかせぬ展開で、誰を信用できて誰が信用できないのかも解らない春子の緊迫感がそのまま伝わってくるようです。 小山ゆうさんももう76歳ですが、筆に翳りは見えません。池上遼一さんも今月で80歳を迎えますが、皆さんお元気でい続けて欲しいです。