日曜日に生まれた子供
ダーラム家の主ローランドの恋人は、父の跡を継いだ若き執事エリックだ。けれど、ふたりの間には厳然たる身分の差異が存在しており……。階上と階下、主と執事の恋を描いた表題作を始め、厳しい自然に暮らす森の住人、かつての教師と生徒の秘密、そして少女たちの密やかな時間を綴った紺野キタの珠玉の作品集!
ダーラム家の主ローランドの恋人は、父の跡を継いだ若き執事エリックだ。けれど、ふたりの間には厳然たる身分の差異が存在しており……。階上と階下、主と執事の恋を描いた表題作を始め、厳しい自然に暮らす森の住人、かつての教師と生徒の秘密、そして少女たちの密やかな時間を綴った紺野キタの珠玉の作品集!
…なんか変なコトしたくなるよ、お前…新しい職場に初めて出社した日、嶋はエレベーターで二日酔いの男と一緒になる。それが、新しい上司・外川との出会いだった。無遠慮で図々しいように見えて、気遣いを忘れない外川に惹かれる嶋だが、傷ついた過去の経験から、一歩を踏み出せずにいる。一方、忘れることのできない記憶を抱えながらも外川は傷つくことを恐れず、嶋を想う心を隠さない。好きだけど、素直にはなれない……不器用な想いの行方は?
寝て、起きて、仕事をする──それだけの毎日、それだけを好きで選んでいる自分に最近少し憂鬱な39歳・野末。ちょっと無愛想だけど信頼厚い部下29歳・外川は、そんな野末が気になる。ひょんなことから、女子で賑わうパンケーキのお店に2人で行くことに。ここから、外川による野末のためのアンチエイジング大作戦が始まった。休日まで野末のために時間を割く外川に「なぜ?」が募っていく野末だが…!?
魔法使いが多く住む町・ゲルの外れの荒れ山に、魔法使いのリーと弟子のラベルは住んでいる。町が苦手でちょっぴり変わり者のリーとの暮らしは決して裕福ではないが、学校に魔法にと勉強に励むラベルは充実した毎日を送っていた。そんなラベルの成長を、ときに厳しく、ときに温かく見守るリーだが…!?
出口晴海が好きになったのは、小野田良。三歳年下のストレート。気がつくと、好きになっていた。友達でいい。そう思っていたのに、どんどん好きになっていった。素直になれなくて、不安になって、ささいなことに幸せを感じて、言えない言葉がたくさんたまっていって──誰かを好きになる切なさと幸せがここに。※本作は『どうしても触れたくない』のスピンオフ作品です。
花だけじゃない 目を向けてこなかった色々なものに 俺はここで出会うんだろうな起業失敗→仲間に逃げられ→恋人にフラれる。どん底に落ちたリュウイチは、思いつくまま海外に飛んだ。そこで出会ったのが、ノア。営む宿へなかば強引に連れられていく。なれなれしく世話を焼かれ、スキンシップの近さに調子がくるわされっぱなしだ。「僕はリューイチのこと好きだよ 恋人になりたいって意味でね」自由気ままなノアの言葉は冗談なのか・本気なのか・・・わからないまま二度もキスされて──!?人生の分岐点×運命の出会い×ヒューマンラブロマンス!
ドMで変態、淫乱の矢代は、真誠会若頭であり、真誠興業の社長。本音を決して見せない矢代のもとに、百目鬼力が付き人兼用心棒としてやってくる。部下には手を出さないと決めていた矢代だが、どうしてか百目鬼には惹かれるものがあった。矢代に誘われる百目鬼だが、ある理由によりその誘いに応えることができない。自己矛盾を抱えて生きる矢代と、愚直なまでに矢代に従う百目鬼。傷を抱えて生きるふたりの物語が始まる──。※本作に収録されている「漂えど沈まず、されど鳴きもせず」は、「iHertZband.1」で配信した作品です。
アルファとして生まれた高校生の江森理玖は、社交界デビューのため、首藤家のパーティーに出席した。首藤家といえばアルファの頂点に君臨する名家だ。現首藤家の当主・首藤圭騎は、オメガに限らずアルファでさえも支配するほどの魅力を持っている。理玖も間近で見た圭騎に憧れを抱かずにいられなかった。しかし圭騎と初めて顔を合わせたその夜、アルファのはずの理玖の体は火照り、甘い匂いを漂わせ…!?プライドをかけたα×α(Ω)の、運命の恋!
ライブハウスでバイトに励む大学生の古川くん。大好きな音楽と仲間に囲まれて楽しい毎日だ。そんなハッピーライフの唯一の問題が店長の北山さん! もともと無愛想な北山さんだけど古川くんには格別無愛想なのだ。スタッフ仲間からも二人の仲の悪さをからかわれる始末。いつか店長をぎゃふんと言わせてやると息巻く古川くんは、ある日、北山さんの秘密を知ってしまうのだが…!?
両親を亡くした蜜子。一人で生きていく決心をするが、高校生に現実は厳しいものだった…。そんな彼女を温かく迎え入れてくれたのは、親戚の酒々井家。だが実はこの家族、かなり個性的な上に全員健康マニアだった! 栗原まもるが描く、健康オタクなラブコメディ第1巻。※本作は、以前配信されていた『ケッコー ケンコウ家族』の表紙デザイン変更&カラー扉増ページ版です。漫画本編の内容に変更はありません。
本書の中にも使われていますが、「時が満ちる」という言葉があります。「ぷりん」と「もっぷ」という猫の夫婦が紡ぎ出し、多くの人々の心を豊かに満たした不朽のメルヘン『小さなお茶会』は、いろいろな意味で「時が満ちる」ことで結晶した作品です。少女マンガが、少女をきらびやかに飾るための作品から、少女の、さらには人間の心の揺らぎに沿った作品へと深化していったとき、『小さなお茶会』は誕生しました。当時、『ぷりん』と「もっぷ」の夫婦が繰り広げる、繊細で、豊かで、優しく、温かく、そして不思議な世界に多くの人が魅了され、癒されました。また華麗に描きあげられた私たちの宇宙の不思議に慄かされ、驚かされました。この時、『小さなお茶会』は少女マンガの到達点という、「時を満たした」作品として誕生し、少女マンガの枠を軽やかに超える普遍的な感動を与えてくれました。そして今、再びこの作品の時が満ちてきました。私たちはとても生きにくい時代にいます。どこか窮屈で、孤独で、ともすれば自分自身の時を失いがちです。そんな索漠とした思いを抱くとき、再びこの作品の輝きが、私たちにおりてきて、豊かに私たちを照らしなおしてくれます。懐かしく、温かく、時にはぞっとするように……。初めての方も、再読の方も、「ぷりんともっぷ」の世界の扉を開けれてください。不朽のメルヘンだけが持つ至高の世界が待っています。
第一ページ目から突然に「しゃかしゃかしゃか」という擬音とともに、登場人物たちが意味なく駆け巡り(ゴキブリの走りをまねているそうです)、それを受けて「きりすとっ」という書き文字とともに人物が飛び上がります。さらにはコマの枠線を交差しながら人物たちが舞い始める……この圧倒的な展開で『黒のもんもん組』が幕を開けます。現代の私たちにとっても衝撃的な、このとてつもないセンスがなぜ生まれたのかを考えると、初出時の社会状況を参照したくなります。かつて日本は社会全体で一つの大きな価値観を共有していました。すべての人が等しく豊かになれる、という考え方で、背景には高度経済成長という日本社会の経済的発展がありました。しかし、進歩という光は多くの陰を生み出しました。様々な公害が発生するなど、この価値観はきしみ始めます。そして、この画一的な価値観の呪縛から解き放たれながら新しい表現が登場し始めました。少女漫画もこの時代に内容を深化させるとともに、多彩な表現が花開きます。これを牽引したのは萩尾望都、竹宮惠子、山岸凉子、大島弓子といった作家たちですが、ショートストーリーでは猫十字社の存在が光ります。本編が幕を上げる1978年は変化の時代の始まりにすぎません。時代の流れは加速度を加え、猛烈な勢いで狂騒の度合いを強めていきます。『黒のもんもん組』もこの時代の流れとともに爆発的なエネルギーを噴出していきます。
神になるべく、プログラムされた少年少女たち。そのなかの1人、如羅(キサラ)は、いつしか強大な「力」を得るとともに、男にかわっていた。死を予感させる恋人の嶺至(レイジ)を守ることが、その愛の証と心に誓い…!驚愕のサイキックストーリー!!