猫十字社という奇才がかつていたことを、もっと思い出さないといけない。 佳品『小さなお茶会』のほうが少し有名だとは思うのですが、やっぱり『黒もん』ですよ、『黒もん』! 例えば、今や大きな潮流となっている「BL」的なるものの前段としてのJUNEについてとか、その源流『風と木の詩』まで遡るタイプの言説は、それなりにあると思うのですが、少女漫画的「少年愛」を、「男色!」として破壊的なギャグで表現したのは、この猫十字社『黒のもんもん組』をもって嚆矢とする…とかいうテキストは、ほとんど見ないですよねえ。 でも、そういう意味で、山上たつひこ『喜劇新思想体系』や新田たつお『怪人アッカーマン』に並ぶインパクトですし、少女漫画ギャグ史的には、少年漫画史の巨大なる高峰『マカロニほうれん荘』に匹敵する重要性を持つ作品だと思うんです。 (連載時期的にも作風的にも、『マカほう』の影響は強いだろうなあ) とにかく、これだけ好き勝手やってる少女誌のギャグなんて、今はほとんど存在しない。 本当に、当時の『LaLa』は、ものすごいラインナップでした。 とはいえ、もう40年以上前の漫画になっちゃうのか…。 『黒もん』完全版というのが出ているのをマンバで知りましたが、やっぱり今の読者には『県立御陀仏高校』や『華本さんちのご兄弟』から入ったほうが、読みやすかったりはするのかもしれませんね。
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