このへやからとうきょうたわーはえいえんにみえない
閉じる
メニュー詳細
手に入れるはずの幸せを見失い、もう戻れない諦めの先に、それぞれが見るものは――。 SNSを沸かせた“タワマン文学”初のコミカライズ。同名の“虚無と諦念のショートストーリー集”を原作に、東京に暮らす男女(ひとびと)を描く。麻布競馬場による原作未収録の小説『今年で31歳になる』、川野倫による各エピソード描き下ろしも特別収録。
手に入れるはずの幸せを見失い、もう戻れない諦めの先に、それぞれが見るものは――。 SNSを沸かせた“タワマン文学”初のコミカライズ。同名の“虚無と諦念のショートストーリー集”を原作に、東京に暮らす男女(ひとびと)を描く。麻布競馬場による原作未収録の小説『今年で31歳になる』、川野倫による各エピソード描き下ろしも特別収録。
就職活動の最中、遊園地に訪れた“ちまき”たち三人。そこで見かけた不思議な門に吸い込まれ――、落ちたところは地獄のタワマンだった! タワマンのメイドとなった三人が現世に還るには、住人たちの信頼を勝ち取りタワマンを昇るしかない! メイドたちよ――働け! 稼げ! 成り上がれ! いつか“黄泉帰る”その日まで!!
(第1話)憧れのタワマンに引っ越してきた金町和樹は、低層階をバカにしてきた人妻の弱みを握って屈服させることに成功。こんな快楽、やめられるわけがない――! いけ好かない金持ち人妻どもに鉄槌を下し、ヤり上がってやると決意した和樹は…?
タワマン文学なる、格差社会にルサンチマンこじらせたようなものがSNS界隈で話題になった。 そのコミカライズな本作。 テーマ的にあまり興味がなかったのだが、アプリで読んでいて特に添付画像にある2話目がよくてハマってしまった。 結局自分は、男側がうらぶれて、女性が現実をみて早々に見切りをつけて去っていく展開に弱いのだと思う。 それだけだと、男性がいつまで変わらず思い続ける純情っぽく描かれ、他方、女性が変わってしまい不純というか強かというかの対比になりがちですが、本作がグッときたのは 「自分の幸せを自分で選んだ」 というセリフ。 これがキツイ。 変わってないから純情とかではなく、ただその状態を、ともすれば結果的に不幸になってしまう状態でも、怠惰だとか思想に合わないからやりたくないだとか自己を正当化して選択しているだけに過ぎないことを突きつけられる。 そりゃフラれるし、そんな自分に酔っている感じが痛々しい。 (でも、自分はやっぱりこういう男主人公話が好きだったりします。) こんな感じで、うまくいかない人間関係や、一見順調そうにみえて裏がある人間模様をタワマンという現代の成功の象徴通して描かれる作品です。 題材を今っぽくしてますが、本質的なものはあまりかわらない感じが文学だなと感じました。