あらすじ

こんなはずじゃなかった。――じゃあ、どんなはずだった? SNSを沸かせた『3年4組のみんなへ』ほか、麻布競馬場による同名のショートストーリー集を原作に“タワマン文学”初のコミカライズ。「自分の人生(選択)は正解なのか?」を自らに問いながらもがく男女(ひとびと)を俊英・川野倫が描く。川野倫による描き下ろしコメントも特別収録。
この部屋から東京タワーは永遠に見えない 上

手に入れるはずの幸せを見失い、もう戻れない諦めの先に、それぞれが見るものは――。 SNSを沸かせた“タワマン文学”初のコミカライズ。同名の“虚無と諦念のショートストーリー集”を原作に、東京に暮らす男女(ひとびと)を描く。麻布競馬場による原作未収録の小説『今年で31歳になる』、川野倫による各エピソード描き下ろしも特別収録。

この部屋から東京タワーは永遠に見えない 中

こんなはずじゃなかった。――じゃあ、どんなはずだった? SNSを沸かせた『3年4組のみんなへ』ほか、麻布競馬場による同名のショートストーリー集を原作に“タワマン文学”初のコミカライズ。「自分の人生(選択)は正解なのか?」を自らに問いながらもがく男女(ひとびと)を俊英・川野倫が描く。川野倫による描き下ろしコメントも特別収録。

この部屋から東京タワーは永遠に見えない 下

東京の本質が孤独であるようにタワマンの本質も孤独であるのかもしれない。――知らんけど。 表題作『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』やSNSを沸かせた『3年4組のみんなへ』ほか、麻布競馬場による同名のショートストーリー集を原作にした“タワマン文学”初のコミカライズ、下巻。川野倫による描き下ろしコメントも特別収録。

この部屋から東京タワーは永遠に見えない

タワマンを通して描く人間模様

この部屋から東京タワーは永遠に見えない 川野倫 麻布競馬場
六文銭
六文銭

タワマン文学なる、格差社会にルサンチマンこじらせたようなものがSNS界隈で話題になった。 そのコミカライズな本作。 テーマ的にあまり興味がなかったのだが、アプリで読んでいて特に添付画像にある2話目がよくてハマってしまった。 結局自分は、男側がうらぶれて、女性が現実をみて早々に見切りをつけて去っていく展開に弱いのだと思う。 それだけだと、男性がいつまで変わらず思い続ける純情っぽく描かれ、他方、女性が変わってしまい不純というか強かというかの対比になりがちですが、本作がグッときたのは 「自分の幸せを自分で選んだ」 というセリフ。 これがキツイ。 変わってないから純情とかではなく、ただその状態を、ともすれば結果的に不幸になってしまう状態でも、怠惰だとか思想に合わないからやりたくないだとか自己を正当化して選択しているだけに過ぎないことを突きつけられる。 そりゃフラれるし、そんな自分に酔っている感じが痛々しい。 (でも、自分はやっぱりこういう男主人公話が好きだったりします。) こんな感じで、うまくいかない人間関係や、一見順調そうにみえて裏がある人間模様をタワマンという現代の成功の象徴通して描かれる作品です。 題材を今っぽくしてますが、本質的なものはあまりかわらない感じが文学だなと感じました。