あらすじ

酔っぱらって倒れていたところを、ダリウスという外国人らしき男に拾われたシロ。帰ろうとするが、外は見知らぬ西洋風の街だった⁉ ダリウスが見せてくれた地図も街並みも全く覚えがない。――どうやら「王都マルシェイム」という異世界に転移してしまったらしい。見知らぬ土地で仕事もお金もなく、身分すらはっきりしない自分はこれから一体どうすれば……。もはやこれしかないと覚悟を決めたシロは、ダリウスの家に住まわせてほしいとまたもや土下座!?シロの異世界での生活がはじまった――!
天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 1

自分でも社畜と認めるくらい忙しい毎日を過ごしていたら、四年付き合った恋人に浮気されていた三上白(みかみしろ)。うまくいかない人生に嘆き、べろべろに酔っぱらい自宅に辿り着いたはずが、ひどい眩暈に襲われて気づくとどこかの路地裏にいて……!? 目を覚ますと、見知らぬ部屋のベッドに寝かされていたシロ。ダリウス・ファブレと名乗る、外国人らしき男に助けられていたらしいが、寝ぼけて彼を襲った記憶がフラッシュバック……!? 恥ずかしさに追い打ちをかけるように二日酔いの吐き気に襲われ、散々ダリウスに迷惑をかけてしまう。とにかく帰宅しようとシロは家の外に飛び出すが、そこに広がっていたのは全く見覚えのない街で――。酔って寝て目が覚めたら、異世界転移してました。

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 2

酔っぱらって倒れていたところを、ダリウスという外国人らしき男に拾われたシロ。帰ろうとするが、外は見知らぬ西洋風の街だった⁉ ダリウスが見せてくれた地図も街並みも全く覚えがない。――どうやら「王都マルシェイム」という異世界に転移してしまったらしい。見知らぬ土地で仕事もお金もなく、身分すらはっきりしない自分はこれから一体どうすれば……。もはやこれしかないと覚悟を決めたシロは、ダリウスの家に住まわせてほしいとまたもや土下座!?シロの異世界での生活がはじまった――!

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 3

突然異世界に転移してしまったシロは、自分を拾ってくれた服飾師ダリウスの家で居候させてもらうことになった。ダリウスは王都マルシェイムで一番の仕立て屋として人気らしいのだが、話を聞けばその荒んだ生活は社畜だった頃のシロそのもの。シロは、仕事人間のダリウスの身の回りの世話をすることで、居候させてもらっている恩を返すことに。一緒に暮らし始めて2カ月。寡黙で普段から何を考えているかよくわからないダリウスだったが、一緒に過ごすうちにその不器用な優しさに気づきはじめ……。

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 4

生活力ゼロの仕事人間・ダリウスの身の回りの世話をしながら、シロは王都マルシェイムでの異世界生活を送っていた。公認会計士の経験のおかげで、彼の営む服飾店「グレイステーラー」の帳簿管理も手伝うことに。なんとか異世界でも仕事を与えられ、世話になっているダリウスの役に立てているはずと安心するシロ。ある日、グレイステーラーに常連客であるリードラン公爵とその執事ロイズが来店する。シロは改めてダリウスが王都一の服飾師であることを実感する。

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 5

王都マルシェイムで服飾店「グレイステーラー」を営むダリウス・ファブレ。ある夜、仕立てたドレスを届けた帰りに、変わった風貌の女を拾う。ただの酔っ払いとはいえ放っておけず自宅に運ぶが、突然いやらしいことをされた上に昂ったまま放置され、帰るのかと思いきや異世界から来たからここに置いてほしいと言いだす始末。邪魔になれば追い出せばいい。そう思っていたダリウスだったが、しばらくの間シロと過ごし、徐々に居心地の良さを感じるようになっていて――。

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 6

ダリウスがリードラン公爵を接客しているあいだ、買い物に出かけることにしたシロだが、公爵の執事であるロイズが荷物持ちとして付き添ってくれることに。挨拶を交わす程度の知り合いである彼と、どんな会話をすれば良いのか戸惑うシロ。しかし、そんな心配が嘘のように話も弾み、二人は徐々に打ち解けていく。わざとなのか天然なのか、美形イケメンの完璧な笑顔と、恥ずかしげもない褒め言葉に思わず赤面してしまうシロ……! 「イケメンって怖い……!」

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 7

ずいぶん時間が経つのに、買い物に出かけたシロが帰ってこない……。荷物持ちとして同行した執事のロイズと二人きりだということを考えると、なぜかソワソワしてしまうダリウス。思えばダリウスはシロと一緒に買い物へ出掛けようなど、考えたこともなかったのだ。つい考え事に耽っていると、リードラン公爵から、突然シロをロイズの結婚相手に考えていると持ち掛けられて――!? 『天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく!』7話

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 8

ダリウスは今の生活を気に入っている。シロとの関係が心地よく、シロの事を考えると作りたいものがどんどん浮かんでくるのであった。だが彼女がいた元の世界を思うとある日いなくなるのではと不安にも駆られていた。そんな思いの中、シロが自分が作ったもの以外の見慣れないショールを身に着けていて、思わずカっとなったダリウスは――!! 『天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく!』8話

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 9

思わずカっとなったダリウスだが、足首を痛めていることを知りシロを抱き上げた。心配しつつも嫉妬心に駆られたダリウスは、シロを寝室に連れ込み――! 『天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく!』9話

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 10

シロを完璧に飾れるのは自分だけ――シロはどこも柔らかく、甘く香る……シロの肌に夢中になるダリウス。一方、天才服飾師の器用な指使いに、それでも決定的な刺激を与えられずにいたシロはついにもどかしくなり――。『天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく!』10話

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 11

ダリウスとの甘く激しい夜のあと、何事もなかったかのような日常が戻るが、気づけばダリウスのことばかりを考えてしまっているシロ。もう恋はこりごりのはずなのに、気持ちはどんどん膨らんでいく。一方ダリウスも、気にしない素振りをしていてもシロのことが頭から離れずにいた。そんな時、突然おしゃれを出かけると言うシロに、不安に駆られたダリウスは――。『天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく!』11話

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 12

おしゃれをして出かけるシロが、男と待ち合わせしているのではないかと疑うダリウス。店を閉めてシロについて来たが、本当にただの買い物だったことに一安心。気づけば手を繋いで、いろんな店を回って楽しんで、これってまさかデートってやつ――!? 出不精のダリウスとの楽しいデートで、この世界のしらないことをたくさん知ることができたシロ。デートも終わりが近づき、シロは今の素直な気持ちをダリウスに伝える。『天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく!』12話

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 13

シロはリードラン公爵の孫娘ナタリアに招待され、公爵邸へ訪れていた。止まる様子のないマシンガントークのナタリアお嬢様は、シロをかなり気に入った様子。彼女の誕生日の夜会に、シロを招待したいと言い出すが、夜会など無理だとビビるシロ。しかし押しの強いナタリアは、ダリウスにシロのドレスを頼み始める始末……。なんとかダリウスに断らせることに成功したように見えた。しかし執事のロイズの一言で、それまで興味を示さなかったダリウスの独占欲に火が付いてしまい――!? 『天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく!』13話

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 14

ナタリアの誕生日の夜会に出席することになったシロ。そのためのドレス制作と、エスコートまで自分がやると言い放ったダリウスは、朝から晩まで毎日仕事に励んでいた。滅多に部屋から出てこないが、時折シロのもとへやってきては、しばらくの間腰をぎゅっと抱いて去っていく。どうやらサイズを図りなおしているわけではないようで……? そしてドレスも出来上がった夜会当日、準備のため一足先にリードラン公爵邸へ向かったシロ。ダリウスがシロのために仕立てた紫と紺の美しいドレスを身にまとい、いざダリウスと対面――! 『天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく!』14話

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 15

他の男には見せたくない、今すぐ連れ帰って閉じ込めたい――。自分の瞳と同じ色のドレスを身にまとったシロに、つい独占欲が隠せなくなってしまうダリウス。一方のシロは、初めて夜会に緊張しつつもダリウスのおかげで徐々に楽しみ始めていた。「ダリウスじゃありませんこと?」 突然、見覚えのない女性がダリウスに話しかけてきた。マリエッタと名乗ったその女性に、シロはあれよあれよとバルコニーに連れ出され、ダリウスとはぐれてしまう。悪い人ではなさそう、と思ったのもつかの間。シロの知らないダリウスの話をなぜか延々と聞かされ続け……。……まさか私、マウント取られてる!? 『天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく!』15話

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 16

ダリウスが過去にマリエッタの屋敷で暮らしていたことを知ったシロ。まるでダリウスを自分のもののように話すマリエッタに言葉を失うシロだったが、そこに夜会の主役であるナタリアの助け舟が。マリエッタの振る舞いに腹を立てるナタリアと、助け出されほっとするシロ。しかしマリエッタと話したことで、ダリウスのことを何も知らなかったと思い知らされたシロは、ついにダリウスへの恋心を認める。そして開き直ったシロが考えたこととは――!?

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 17

ダリウスが好き。ダリウスへの恋心を認めたシロは、ダリウスと対等になるため自立する決意をすると同時に、ダリウスへのアプローチも開始! とはいえこれまで真面目すぎる社畜だったシロに、好きな男の落とし方などわかるはずもない。ダリウスと夜会を後にしたシロはどうすべきかを考えるが、導き出した答えは色仕掛け――!? ドレスを脱ぐ手伝いをしてほしいと、ダリウスをベッドに誘うシロ。ダリウスはその熱っぽい視線に戸惑いつつも、言われるがままシロのために作ったドレスを脱がせてゆく……。

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 18

夜会のあと、ダリウスとシロは熱い夜を過ごした。ダリウスを好きだという気持ちをあらためて自覚したシロは、ダリウスと対等な立場で恋をするためにこの世界での独り立ちを考えていた。そのためにはまず仕事をみつけなければならない。リードラン公爵家から届いた求人票を見ながら、さまざまな仕事を吟味するシロ。お金も大事だけど、せっかくの新しい人生なのだからやりがいのある仕事をしたい。元社畜のシロが選んだ仕事とは――!?

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 19

独り立ちのために就職活動中のシロ。孤児院で算術を教える仕事に興味を持ったシロは『ファブレ孤児院』の見学に訪れていた。シロを出迎えたのは、髭を蓄えたまるで山賊のようにたくましい孤児院のオーナー、オリバー。シロは、子どもと孤児院を愛するオリバーの人柄や、孤児院の雰囲気に強く惹かれる。オリバーがある1枚の絵を見せてくれたのだが、そこにはどこか見覚えのある紫の目と仏頂面の子どもがいた――。シロは、偶然にもダリウスが育った孤児院で働こうとしていたのだ。

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 20

孤児院のオーナー、オリバーから明かされるダリウスの孤児院での過去。オリバーは、4歳になったダリウスに親友ができたことを話してくれた。昔から口数が少なく、孤児院の子たちになじめなかったダリウス。そんなダリウスと、いつも一緒にいるほどの親友になったのがロージーだったのだ。シロが昔話に耳を傾ける一方で、ダリウスはシロと過ごした夜会の夜のことを考えていた。一体シロは自分をどう思っているのか……。悶々としつつ仕事用の本を探しにシロの部屋へ行くが、まとめられた荷物と求人票を見つけたダリウス。シロが離れていく予感を察したダリウスは――!?

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 21

シロが出て行こうとしていることに気づいたダリウスは、求人票を頼りにシロを探しに飛び出したはいいものの、どちらへ行くべきかと悩んでしまう。その時、目の前を通るロイズを見つけ……。一方シロはまだ孤児院でオーナーのオリバーとダリウスの話で盛り上がっていた。わずか6歳でダリウスが服飾に夢中になったきっかけとは……? 話を聞くうちにダリウスと親友ロージーの絆を感じたシロは、ダリウスの店はロージーのためなのでは考え始める。そしてそんな親友同士には、悲しい過去が――。

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 22

13歳の伯爵令嬢マリエッタはわがままばかりで、ほとんどの仕立屋に取引を断られはじめていた。どこかに従順な仕立屋はいないかと考えいた。そんなとき耳にしたのが、街に現れる仕立屋の少年――ダリウスの話だった。15歳になったダリウスは、それなりに露店で服を売れるようになっていたが、あと1年で孤児院を出ねばならず焦っていた。そんな時マリエッタに声をかけられ、伯爵家で専属の仕立屋にならないかと声をかけられる。好きなだけ裁縫ができると言われ、世間知らずなダリウスはその話に乗るが、マリエッタの狙いはドレスだけではなく……。

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 23

孤児院に突然現れたたくましい美丈夫の正体は、ダリウスの親友のロージー!? ロージーは馬車に惹かれて死んだと思っていたシロ。てっきりロージーをダリウスの初恋の女の子だと勘違いしてちょっぴりヤキモチを妬いていたシロは、同性の幼馴染だということに思わず安堵する。そんなシロの様子に、シロのダリウスへの気持ちと、じれったい二人の関係を察するロージーとオリバー。仕事の契約を交わし帰宅しようとしたとき、突然汗だくで息を切らしたダリウスが孤児院へ現れた。おせっかいな幼馴染のロージーが咄嗟にとった行動とは……!?

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 24

「シロは私のものだ!」 ロージーがシロを狙っていると勘違いしたダリウスは、シロへの想いを叫び、そのまま倒れてしまった。目を覚ましたダリウスに、シロは頬を染めながら本当の気持ちを尋ねる。そしてお互いの気持ちを打ち明けたシロとダリウスは晴れて恋人同士に……! シロの恋人になれたことと、シロからの甘い愛の言葉に喜びを隠せないダリウス。今まで塞いできたシロへの熱い想いと独占欲は、もう止まらなくて……!?

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 25

ついに恋人同士になったシロとダリウス。甘い雰囲気の中、シロがもう家を出ていかないことを確認したダリウスはようやくほっとする。しかし、家は出ないが孤児院での仕事を辞退するつもりはないことをシロが告げると、ダリウスは全力で止めにかかり……!? 「好きなんだ。一秒たりとも離れたくない」 恋人になったダリウスの執着は止まらず、シロを外に働きに出したくないし傍にいたいと懇願するが、せっかくやりたいと思えた仕事を諦められないシロは説得を試みる。

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 26

孤児院から帰宅したシロとダリウス。お風呂に浸かりながら孤児院での様々な出来事を思い返すシロと、一方のダリウスはシロを待ちきれずバスルームの外でそわそわとしていた。ようやく恋人同士になれたことですっかりタガがはずれてしまったダリウスは、風呂上がりのシロをあっという間にベッドに組み敷き――!? ダリウスに優しくも激しく、淫らに愛され、両想いになった余韻に浸る間もなく快感に飲み込まれてゆく……。

天才服飾師の過度な執着は全身にまとわりつく! 27

シロとダリウスが恋人同士になってから、1年半の月日が流れた。相変わらず二人の仲は良好で、シロは孤児院で働いており、約束通り毎日ダリウスが送り迎えをしている。ある日、孤児院のオリバーから「結婚の話は出ないのか」と言われ、ダリウスが結婚についてどう考えているのか気になり始めるシロ。最近のダリウスは酷く忙しいようだが、時折シロに何かを隠すような態度を取ることもあり、シロはなにかおかしいと思い始める……。