あらすじ
『このライトノベルがすごい!2023』(宝島社刊) 単行本・ノベルズ部門 第8位! 「君の命を削ったりはしないよ、もったいないからね」 魔物が望む願いは“ぞんざいに扱われること”!? 歌乞いの少女と万象の魔物の異種婚姻ファンタジー! 待望のコミカライズ第1巻! 【あらすじ】 ネアは歌乞いだ。おとぎの世界に焦がれる彼女は不思議な森に迷い込み、魔物から恩恵を得る才職を与えられた。対価である命を望まない万象の魔物ディノに懐かれるも、手に負えない彼とは別の魔物と契約しようと煉瓦、酵母、火種そして木通【あけび】と出会い転職活動に励もうとして……。祝祭美食な日常の中、時に切なく、時に大惨事(?)が紡がれる異種婚姻ファンタジー! 人と人ならざる者たちが共に季節を巡る、美しくも儚い世界を覗いてみませんか?
異世界ではなくちょっと違う次元で、転生でもない。 知らぬ世界で保護され、歌乞いと呼ばれる職につくことになった主人公ネア。 以前の孤独で慎ましい生活より豊かな生活に、いつかは出て行って…という気持ちものびのびに。 歌乞いは魔物(見た目は美しい人間)と契約し、その能力を行使してもらう職能だが、対価として命が削られる。 様々なことが考えられる状況下、先手を打って適当に呼び出した魔物・ディノがどう見ても教わった高位で、削られる命も多そうな、一騒動置きそうな見外見。 数が多くて無難な自称・薬の魔物ということにすることにした。 と、まあ、設定は複雑なのだけど。 ストーリーは端的に言うと、孤独だった女の子が、ぞんざいに扱われると喜ぶ美麗な人外と、彼女を保護する人たちと過ごす日常譚。 ひょんなことから、元王子を男色と勘違いして、ゴリ押ししたり、クッキーモンスターと名付けた美少年姿の魔物を餌付けしたり。 トラブルは起こるけど、幸せそうな日々が描かれている。 モノローグが多いので、淡々とした雰囲気もあるが、ネアとディノの掛け合いを見ていると、賑やかにも感じてくる。