「亜月裕先生の新刊」が本日発売! 令和5年になって、この言葉を発せられる驚きと嬉しさたるや。 電子版のみではありますが、2016年に発売された『伊賀野カバ丸★そりから』以来7年ぶりとなる新刊です。亜月さんももう古稀、再来年でデビュー50周年なんですね。先日クチコミを描いた『ぼっち死の館』もそうですが、若い体であっても大変な作業であるマンガの執筆を、歳を重ねてもずっと続けられている方々には畏敬の念を抱きます。 この『ひとりでほっこりくつろぎごはん』シリーズで連載されていた『ふわふわ志保のほっこりごはん』は、非常に伸び伸びと描いている感があって、読んでいてどこか安心します。 本作は1話完結型で、30歳のOL志保が毎回どこかで何か特定のメニューを食べるグルメマンガ。 某所で行われているさんま祭であったり、50円でボルシチとコールスローを付けられるお店の「タンポポオムライス」と言ったら、解る方には解る実在のイベントやお店でしょう。 どこかのお店に食べに行く話でなく、「雪中キャベツのポトフセット」など話題になったお取り寄せ品のお話であったり、もらった材料から自分で料理をするお話もありバラエティ豊かです。実際に食べたときの感動をそのまま表現されているようで、読んだらすべての品を食べたくなります。少なくとも、私は昨日ポトフを食べたばかりなのにまたポトフを食べたくなりました。 たまに過去回想も入りつつ基本はゆるく進行していくのですが、たまにポトフの回のような読者の記憶を刺して来る味のあるエピソードもあり、流石の力量を感じさせてくれます。 何より、亜月さんの醸し出す雰囲気が端々から心地よく伝わってきて、古の少女マンガ読みとしては感慨深さを覚えずにはいられません。 末長く元気で美味しいものをたくさん食べて、またこのシリーズでも『カバ丸』でも描いてくださったら、一ファンとして嬉しいです。
兎来栄寿
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