作品情報著者郷本arrow_forward_ios巻数2巻arrow_forward_iosカテゴリ青年マンガarrow_forward_ios出版社白泉社arrow_forward_iosレーベル楽園arrow_forward_ios刊行期間2023/01/31~2024/08/30ジャンル怪奇・ミステリー恋愛・ラブコメ学園
『明日ちゃんのセーラー服』や『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』、あるいは海島千本先生の作品などは、絵を眺めているだけでも幸せになれる作品だと思いますが、この『破滅の恋人』もそんな作品です。 緻密な書き込みの中にザラっとしたペンタッチを残す絵。コマ割りを、ストーリーを飛び出す空想的な画面にうっとりしながら、肝試しに使われるような廃洋館に住むお姉さんと真面目そうな少女(中学生?)との出会いに導かれます。 少女の思考もふわふわしていて、二人の間には、今のところ何もない。何もないはずなのに、既に何かが生まれている気配は散りばめられていて、それが友情なのか恋なのか、あるいは……と想像が止まりません。 お姉さんと、ある男性との物語も描かれるのですが、そこも不穏。1巻時点では不明な点が多く、百合ジャンルと明言しづらいのですが、それでも少女の心の機微とガサツなお姉さん=魔女の謎が心をざわつかせる、不思議な百合魔力のある作品なのです。 そしてこの魔力に胸を掴まれた方は、ぜひ作者・郷本先生の前作で「薄い繋がりなのにエモい百合」として名高い『夜と海』も読んでみてほしいと思います。