あらすじ

母親と弟とともに暮らす純は、野球が大好きな明るい少年だった。しかし、小学校に上がり友達ができ始めたころ、父親がいない自分の家が他の家と違うということに気づきはじめていた。母親は働きづめだが、家庭は貧しく、小遣いや学用品にさえ事欠いた。こんなことになったのも父親がいないためだと思うようになった純は、父親に対して憎しみを抱くようになる。ある日、弟の満と買い物に行って帰ってくると、見慣れない男物の靴が玄関に置いてあった。居間に上がってみると、そこには母親と父親が向かいあって座っていたのだった(第1話)。
オーロラの街(1)

小学4年生の幸子の同級生・久保は家が貧乏なため、クラスメートからいじめを受けていた。さらに潔癖症であるクラス担任の野島先生からも嫌われていた。ある日のこと、給食着をきちんと洗濯せず、手が汚いまま配膳した久保は、野島に激しく叱られ、そのままクラスを飛び出してしまった。そんなことがあって久保は学校を欠席するようになってしまう。以前いじめられていた経験のある幸子は久保を心配して、配られたプリントと給食のパンを届けるということで、久保の様子を見にいく。学校に出てくるようにすすめる幸子に対して久保は、誰も待っていない学校になんて行かない、と言い出す。しかし「わ…私が……待っとる…」という幸子の言葉に、久保のかたくなな態度はゆっくりと変化していくのだった(第1話)。●その他の登場人物/坂田喜市(工場で働く旋盤工)、ひふみ(理髪店で働く女の子)

オーロラの街(2)

母親と弟とともに暮らす純は、野球が大好きな明るい少年だった。しかし、小学校に上がり友達ができ始めたころ、父親がいない自分の家が他の家と違うということに気づきはじめていた。母親は働きづめだが、家庭は貧しく、小遣いや学用品にさえ事欠いた。こんなことになったのも父親がいないためだと思うようになった純は、父親に対して憎しみを抱くようになる。ある日、弟の満と買い物に行って帰ってくると、見慣れない男物の靴が玄関に置いてあった。居間に上がってみると、そこには母親と父親が向かいあって座っていたのだった(第1話)。