あらすじ帝国海軍の訓練で、瀧昌が何週間も海に出て行ってしまう日々に寂しさを募らせるなつ美。しかし、離れている間は手紙で普段言えない想いを伝え、たまに上陸したときには上陸先で待ち合わせて新婚旅行気分を味わい、二人らしいペースで関係を深めていく。しかし、会えない期間になつ美が幼馴染の男性と会っていたことを知った瀧昌は嫉妬してしまい…!?穏やかな日々に波乱の予感?じれったくも愛おしい、二人の距離が縮まる第2巻。
横須賀を舞台にした、戦前ラブコメです。 ロシアとの戦争が終わったあと、中国と戦争をはじめるちょっと前。 そんな時代の昭和11年に海軍で下士官をつとめる瀧昌と見合い結婚をしたなつ美。 冒頭で写真だけの結婚式を上げたから、瀧昌は亡くなっているんじゃと少しだけハラハラした。杞憂だった。 歴史の授業で艦の数を減らせ減らせと世界的に言われていた時代は、海軍的にはとても大変だったようで。 むっつり無愛想、言葉足らずで「問題ありません」を多用する瀧昌と、日常生活以上のことを知らないおっとりとした、でも家をしっかり守るなつ美。 二人の初々しい新婚生活に、読んでいてニコニコしてしまう。 初夜の内容を知らず、周りからは「旦那様に任せたらよい」と言われ…旦那様というか男性側はどうやって知ったんだろうと、ふと疑問がよぎった。 海軍は、新婚さんでも夫が仕事で家にいないこともしばし。期間も行き先も軍事機密。 家で待つ間のなつ美の心の揺れ動き(主に瀧昌に対する心配と惚気)とにハラハラどきどきし、再会した際の二人のやりとりにほんわかしてしまう。 作者さんのpixiv漫画で描かれていたキャラクターが登場しているのもワクワク感が募る。 もちろんファンタジーではないので魔法も異能も出てこない。 さらに、舞台となる時代を考えると暗い未来しか見えないのだけど、今の彼らが素敵すぎでおもわず読み進めてしまう。 語彙力をなくして説明するならば、ぴゅあぴゅあでキュンキュン。読み終えると、とても良き…とジーンとなれる漫画。 ハッピーエンドじゃなきゃやだよと駄々こねたくなるほど、ステキなラブコメ。