あらすじ結婚式を欠席した瀧昌は、改めてなつ美の実家に挨拶へ。そこで、なつ美の母から本人たちも知らない、二人の「運命的な出会い」が明かされる!? のんびりと過ごすのも束の間、瀧昌はなつ美の姉たちや父親からなつ美への想いを試されて――! 家族の絆が深まっていく。一緒に過ごす初めての年の瀬!
横須賀を舞台にした、戦前ラブコメです。 ロシアとの戦争が終わったあと、中国と戦争をはじめるちょっと前。 そんな時代の昭和11年に海軍で下士官をつとめる瀧昌と見合い結婚をしたなつ美。 冒頭で写真だけの結婚式を上げたから、瀧昌は亡くなっているんじゃと少しだけハラハラした。杞憂だった。 歴史の授業で艦の数を減らせ減らせと世界的に言われていた時代は、海軍的にはとても大変だったようで。 むっつり無愛想、言葉足らずで「問題ありません」を多用する瀧昌と、日常生活以上のことを知らないおっとりとした、でも家をしっかり守るなつ美。 二人の初々しい新婚生活に、読んでいてニコニコしてしまう。 初夜の内容を知らず、周りからは「旦那様に任せたらよい」と言われ…旦那様というか男性側はどうやって知ったんだろうと、ふと疑問がよぎった。 海軍は、新婚さんでも夫が仕事で家にいないこともしばし。期間も行き先も軍事機密。 家で待つ間のなつ美の心の揺れ動き(主に瀧昌に対する心配と惚気)とにハラハラどきどきし、再会した際の二人のやりとりにほんわかしてしまう。 作者さんのpixiv漫画で描かれていたキャラクターが登場しているのもワクワク感が募る。 もちろんファンタジーではないので魔法も異能も出てこない。 さらに、舞台となる時代を考えると暗い未来しか見えないのだけど、今の彼らが素敵すぎでおもわず読み進めてしまう。 語彙力をなくして説明するならば、ぴゅあぴゅあでキュンキュン。読み終えると、とても良き…とジーンとなれる漫画。 ハッピーエンドじゃなきゃやだよと駄々こねたくなるほど、ステキなラブコメ。