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2021年コミティア136にて頒布。丸っこいイラストと黒くて荒々しい背景という器の中に、エスプレッソみたいな苦々しい気持ちと、しっとりじんわりとした夏の午後の余韻をブレンドさせた、2作の短編を収録しました。(収録作品) ・睡蓮の母 過去の悲痛な経験から植物になった母親とその娘の話です。以前から人間の進化のことについて考えていて、その進化の一つとして植物へ自分のDNAを組み込ませて、名前通り「植物人間」の状態になるというシステムを考えました。そして家族が植物になることを選択した際、その周りの人々は果たしてどのように捉えるかな?と考えて、制作しました。悲しい経験からの逃避するために「植物」を選択した母親と、それを人間として避難する家族と、主人公。少子高齢化が叫ばれる中、こういう未来もあるかもしれないと思って描きました。・耳鳴りと黒箱 騒音のなる印刷会社での労働のストレスから、静かな場所を求めて黒い美術館へゆく話です。これは実体験がもとになっていて、モデルになっている美術館も実際に存在する場所です。黒々しい表現をするのが当時自分の中でトレンドになっていて、木目のように目まぐるしく 絵画と美術館が一体化させるのがすごく心地よかった覚えがあります。これも後味は若干苦目です。ポップなイラストと、SFやバイオレンスな話。そして自分の中で答えを結論づけるような話。そんな作品ににご興味を持たれた方は是非読んでみてください。