あらすじ

罪悪感と自己嫌悪から父親の法事を欠席した繭。心配する家族からの電話にも出られず、自分が罪を犯したことの自責の念に駆られ涙する。みのりはようやく出社した繭の憔悴した様子に驚くが、さらに繭を追い詰めて―。
できごころ 1巻
少し真面目過ぎる平凡なOL・高橋繭(まゆ)は、図々しい同僚・みのりに悩まされていた。“親友だから”と仕事を押し付けられ、ランチは横取り、ロッカーの私物は無断使用。婚約者に相談しても、仕事人間の彼は“つまらない愚痴”には聞く耳を持たず、最近は関係も上手くいっていない。蓄積されたストレスは限界に達し、魔が差した繭はデパートで万引きをしてしまう。後悔に震える繭。「ねえ?昨日デパートに居た?」翌朝みのりから声を掛けられ、平静を装う繭だが、追い打ちをかけるように満面の笑みでみのりは言う。「大丈夫よ、誰にも言わないから」。たった一度の過ちから、転がり落ちるように繭の日常が脅かされていく―。
できごころ 2巻
みのりから万引きを目撃したことをほのめかされ、怯える繭。翌日、そのことに一切触れて来ないみのりに安堵するが、みのりの耳には万引きした物と同じイヤリングが飾られていた。「親友だもん」と微笑むみのりの目的は―!?
できごころ 3巻
みのりとの関係に悩む繭を優しく励ます婚約者の優斗。そのデート中にみのりから呼び出しが入る。万引きの事実を知らない彼を会わせたくない繭は一人で現場に向かう。そこに最悪の要求が待ち受けるとも知らずに―。
できごころ 4巻
優斗との待ち合わせ場所に偶然現れたみのりは図々しくもデートに乱入する。何も知らない優斗は明るいみのりを評価し、繭を取り残すように意気投合した二人は連絡先を交換する。繋がってしまった二人。繭の地獄が加速する―。
できごころ 5巻
「今…誰と一緒に居ると思う?」優斗との関係を匂わすみのりからの連絡に泣き崩れる繭。疑心暗鬼に陥った繭は優斗に尋ねるが、心無い彼の言動がさらに繭を傷付ける。悪びれた様子も無いみのりの態度に繭の精神は限界に達し―。
できごころ 6巻
悲劇が重なり、みのりに想定外の火傷を負わせてしまった繭は、退院し周囲から歓迎されるみのりを横目に日々の業務を淡々とこなす。一人でランチを摂り、距離を置く繭に、みのりは慰謝料を請求し、弱みを武器に重罪へと導く―。
できごころ 7巻
度重なる要求への逆襲の武器として、みのりを素性を調査した興信所のデータを突き付けた繭。幼少期から現在までのみのりの真実が暴かれる。調査結果を受けたみのりが振り返る、繭への想いの真実とは―?
できごころ 8巻
偶然にも繭とみのりの「秘密」を知ってしまった後輩・田辺。二人の関係悪化を感じていた彼は、繭に寄り添い問いかける。「柚木さんって昔からあんな人だったんですか?」その言葉に弾かれたように、繭は過去の記憶をたどる―。
できごころ 9巻
罪悪感と自己嫌悪から父親の法事を欠席した繭。心配する家族からの電話にも出られず、自分が罪を犯したことの自責の念に駆られ涙する。みのりはようやく出社した繭の憔悴した様子に驚くが、さらに繭を追い詰めて―。
できごころ 10巻
2週間続く繭の欠勤から、社内ではみのりと繭の関係に不穏な噂が立ち始める。「私が繭をいじめてるって!?」社員食堂で人目をはばからずに後輩に詰め寄るみのり。すべてを知っている田辺はいたたまれず、みのりを屋上へ呼び出すが…。
できごころ 11巻
ついに訪れた繭の退社日。謝り方が分からないみのりは葛藤し、花束を抱えながらも踏み出すことができない。その様子に、繭は優しく微笑み謝罪を制止する。みのりの心に大きな後悔が押し寄せて―。
できごころ 12巻
罪悪感から先送りにしていた父の墓参りに訪れた繭。「いつでも聞いてやるから」と、強く優しく、真の正しさを持っていた父はもういない。父を偲び向き合うと、みのりから着信が入り―。
分身 -女子高生Mの悲劇-

分身 -女子高生Mの悲劇-

美花は女手一つで育てられ、それもあってか母娘は普通以上に仲良く暮らしてきた。初めての恋もして、穏やかな日々を過ごしていた。ただ一つ気になるのは、自分を見つめる謎の視線。なぜか昔から美花の周りからは大切な人がいなくなってきた。拭いきれぬ不安…そして事件が。どこにでもいる普通の女子高生の身に次々に降りかかる悲劇。恐怖、疑念、そして迎える衝撃の結末とは…
十年目の復讐

十年目の復讐

修仁と麻衣の二人は高校時代のクラスメイトで、結婚を間近に控えていた。そんな二人の元に同窓会の案内状が届くが麻衣の表情は冴えない。麻衣は高校時代にいじめに遭っており、その時の暗い記憶が呼び起こされたためだ。そんな麻衣に修仁は「変えられない過去を忘れ、前を向くためにも一緒に出席しよう」と告げる。修仁の後押しもあり麻衣は同窓会に出席することに…しかしその決断が再び麻衣を苦しめることになる。そして十年の時を経て、悲しい復讐劇が幕を開けるのであった……。