少し真面目過ぎる平凡なOL・高橋繭(まゆ)は、図々しい同僚・みのりに悩まされていた。“親友だから”と仕事を押し付けられ、ランチは横取り、ロッカーの私物は無断使用。婚約者に相談しても、仕事人間の彼は“つまらない愚痴”には聞く耳を持たず、最近は関係も上手くいっていない。蓄積されたストレスは限界に達し、魔が差した繭はデパートで万引きをしてしまう。後悔に震える繭。「ねえ?昨日デパートに居た?」翌朝みのりから声を掛けられ、平静を装う繭だが、追い打ちをかけるように満面の笑みでみのりは言う。「大丈夫よ、誰にも言わないから」。たった一度の過ちから、転がり落ちるように繭の日常が脅かされていく―。
美花は女手一つで育てられ、それもあってか母娘は普通以上に仲良く暮らしてきた。初めての恋もして、穏やかな日々を過ごしていた。ただ一つ気になるのは、自分を見つめる謎の視線。なぜか昔から美花の周りからは大切な人がいなくなってきた。拭いきれぬ不安…そして事件が。どこにでもいる普通の女子高生の身に次々に降りかかる悲劇。恐怖、疑念、そして迎える衝撃の結末とは…
修仁と麻衣の二人は高校時代のクラスメイトで、結婚を間近に控えていた。そんな二人の元に同窓会の案内状が届くが麻衣の表情は冴えない。麻衣は高校時代にいじめに遭っており、その時の暗い記憶が呼び起こされたためだ。そんな麻衣に修仁は「変えられない過去を忘れ、前を向くためにも一緒に出席しよう」と告げる。修仁の後押しもあり麻衣は同窓会に出席することに…しかしその決断が再び麻衣を苦しめることになる。そして十年の時を経て、悲しい復讐劇が幕を開けるのであった……。