あらすじ

王妃アン・ブーリン、その運命の日―― 激動の1536年―― 前王妃キャサリンの訃報が届いた半月後。その呪いか宿命か、馬上槍試合で王は落馬、待望の王子出産直前だったアン・ブーリンは流産をしてしまう。焦った兄ジョージの失策も重なり、王の寵愛を失ったアンは不貞の冤罪をかけられ、無情にも処刑を言い渡される。“王妃は、まだ生きている”託された手紙を読んだウィリアムは、必死に馬を駆け彼女の元へと急ぐ。その時、残された一人娘エリザベスは―― そして物語は更なる混迷のはじまり……1539年へ!!
セシルの女王 1巻

誇り高き女王と、ある忠臣の物語――開幕! 『ベルサイユのばら』池田理代子氏、推薦。『あさひなぐ』のこざき亜衣が新たに挑む―― 新時代を築く、本格歴史ロマン!! 時は1533年、イングランド。善悪の尺度も命の行方も不確かな時代に、明日を夢見る少年が居た。ウィリアム・セシル、12歳。王に仕えることで出世を目論む彼は、衣装担当宮内官である父に連れられ、初めて城へと登る。しかしそこに君臨していたのは、暴虐な絶対君主・ヘンリー8世だった。“ここでは人の優しさや寛容には必ず裏がある” “誰かが誰かを、常に見張ってる” 横行する暴力と裏切り、派閥争いや不貞。夢見ていた宮廷との差に落ち込んだ少年は、その夜、王妃アン・ブーリンと出会い、彼女のお腹の中の子…… 未来の“王”に仕えることを誓うが―― 実写映画化&舞台化も果たし、第60回小学館漫画賞一般向け部門を受賞した『あさひなぐ』、全34巻の完結から一年。こざき亜衣が新たに挑むのは、近世イングランドを舞台とした本格歴史ロマン!! 「『ベルサイユのばら』から50年。若い女性漫画家による本格的な歴史漫画の登場に、心躍るようです。」(池田理代子氏) これは、誇り高き女王と、彼女を支えたある忠臣の物語。――さあ見届けよ、「彼女」と「彼」が築く、輝かしき【黄金の時代】を!!

セシルの女王 2巻

俺がエリザベス様をこの国の女王にします。1533年9月7日、イングランド。王子出産を嘱望された王妃アン・ブーリンが産んだのは、エリザベスという名前の女児だった―― ローマ・カトリック教会に逆らってまで前王妃・キャサリンと離婚し跡継ぎを産ませるべくアンと再婚した国王ヘンリー8世は激怒し、キャサリンの一粒種であり、王位継承権をエリザベスに奪われたメアリは傷ついた心の行き場を探していた。次第に追い詰められていくアン。彼女を慕う少年、ウィリアム・セシルは、御簾越しにある誓いを立てる。“俺がエリザベス様をこの国の女王にします”―― テューダー朝第5代にして最後の大君主・エリザベス1世と彼女を支えた忠臣の物語。壮大な序章を終え、彼らの激動の人生がいよいよ始まる!!

セシルの女王 3巻

エリザベス1世と彼女を支えた忠臣の物語。「俺がエリザベス様をこの国の女王にします」 アン王妃にそう約束したウィリアムは、ケンブリッジへと進学。学内ではカトリックとプロテスタントが混在し議論を深めていたが、国王ヘンリー8世に背く立場として、大学総長であり、カトリック司教ジョン・フィッシャーがロンドン塔へ収監される。時の権力者・クロムウェルに、釈放の条件として フィッシャーに国王支持を表明させるよう言い渡されたウィリアムは――!? 歪む音を立てながら、強引に進む時代。大人にならざるを得ない少年たち。そんな折、前王妃・キャサリンの訃報が届き、ウィリアムの、アンの、エリザベスの運命を大きく揺るがすこととなる 激動の1536年が幕を開ける――!!!!!

セシルの女王 4巻

王妃アン・ブーリン、その運命の日―― 激動の1536年―― 前王妃キャサリンの訃報が届いた半月後。その呪いか宿命か、馬上槍試合で王は落馬、待望の王子出産直前だったアン・ブーリンは流産をしてしまう。焦った兄ジョージの失策も重なり、王の寵愛を失ったアンは不貞の冤罪をかけられ、無情にも処刑を言い渡される。“王妃は、まだ生きている”託された手紙を読んだウィリアムは、必死に馬を駆け彼女の元へと急ぐ。その時、残された一人娘エリザベスは―― そして物語は更なる混迷のはじまり……1539年へ!!

セシルの女王 5巻

繰り返される王妃交代劇の行方は!? 1540年、6月―― 政敵ノーフォーク公(トマス・ハワード)に陥れられ、失脚した稀代の政治家トマス・クロムウェル。ウィリアム・セシルが師と仰ぐ彼の処刑が迫る中、4番目の王妃アン・オブ・クレーフェは、王の愛人であるキャサリン・ハワードに、ある密約を持ちかける。一方、6歳になったエリザベスは、幼くして王族に生まれた孤独を知っていた。「俺に使わせてください。ヘンリー8世の娘として生まれた、あなたの運命を」 「俺はあなたの、もうひとつの魂〈スピリット〉になりたいのです」 血よりも、恋よりも濃い誓いを申し出たウィリアムに、エリザベスの答えとは!? 船頭を失い、混迷していく政治。不信感を募らせ、暴走を始める王。時代の荒波と周囲の思惑に翻弄されながらも、自らの道を見定めようとする女たちの姿を見届けよ――!!

セシルの女王 6巻

6人目の王妃は誰だ――!? 1542年、2月―― ロンドン塔のタワー・グリーン。大人たちの都合で祭り上げられ、わずか17歳にして“5番目の王妃”となった少女が、ただ恋人を愛したばかりに裁かれ、数多の血を吸い込んだ断頭台に上ろうとしていた。「私がお前のために祈ろう」 庶子であり、無力な7歳のエリザベスの言葉は、彼女の魂を救うのか。それから半年後。22歳になったウィリアム・セシルは、父王であるヘンリー8世の存命中に、エリザベスの王位継承権復活を目指す。「あの王はいつも女で動く」 目的遂行のため、助言を得たセシルが目指したのは、“6番目の王妃”の擁立だった――!! 第二章“王妃交代劇編”クライマックス!!

セシルの女王 7巻

王子と王女、初めての家出!? 1544年―― 6番目の王妃キャサリン・パーを母として迎え、ようやく王家が家族として機能し始めた、その翌年。父王ヘンリーに老いの兆しが見える中、幼き王太子エドワードの後継者教育が急がれる。容赦なく迫る新時代の足音。望む望まざるに拘わらず、“男子たるもの”が背負わされる運命。「私と一緒に死ぬか? エドワード」 次第に追い込まれていく弟に、エリザベスが持ちかけた計画とは!? その時、セシルもまたその生涯を彼女に捧げる覚悟が問われることとなる――